【5/9(金)開催】記者勉強会のご案内「新物理発見に迫る:ミューオンg-2研究の最新情報」

申し込み締め切り:5月9日(金)9時

米国のフェルミ国立加速器研究所(FNAL)から5月中に、ミューオンg-2(異常磁気能率)実験の最終結果が発表されます。異常磁気能率は、素粒子が持つ磁力のうち、量子効果に起因するものであり、未知の粒子や力が存在すれば、その効果が顕著に現れ、とりわけミューオンで観測しやすいと考えられています。ミューオンのg-2の場合、20年前からその測定値と理論値に大きなずれが見られており、ミューオンg-2を精密に測定することにより、標準理論を超える「新物理」の兆候を探ることができると世界中の素粒子物理学分野の研究者が注目しています。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所では、大強度陽子加速器施設J-PARCを舞台に、フェルミ国立加速器研究所とは全く独立した手法でミューオンg-2の精密測定を目指す国際共同実験の準備を進めています。もしJ-PARCの実験でg-2の素粒子標準理論の予想値と実験値の間のずれが決定的となれば、そこから新粒子や新しい力といった、標準理論を超える新物理の兆候を掴む事ができると期待されています。

FNALでは2023年、やはりミューオンg-2の実験結果を発表しており、今回、発表されるのは最新のデータを加えて解析した最終結果になります。それが発表される前に、ミューオンg-2研究の最新情報やJ-PARCでg-2に加え電気双極子モーメント(EDM)と呼ばれる性質も調べることでより深い物理に迫る、ミューオンg-2/EDM実験の準備状況を詳しく解説します。また、理論研究においても、素粒子標準理論の計算値の精度向上を目指した研究が進んでいます。一部の理論研究グループは実験値とのずれがないとする結果を発表しており、計算値の確からしさについて、大きな議論が起きています。これまでの研究をまとめた最新論文についても紐解きます。

<スケジュール>
2025年5月9日(金)14:00〜15:30
会場:KEKつくばキャンパス 会見室 およびオンライン

14:00-14:30ミューオンg-2研究最新情報およびJ-PARCで行うミューオンg-2/EDM実験について
14:30-15:00理論研究:素粒子標準理論の計算値の進展
15:00-15:30質疑応答

<説明者>
〇三部 勉(みべ つとむ)
高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所 教授
ミューオンg-2/EDM実験 代表

〇野村 大輔(のむら だいすけ)
国際医療福祉大学 保健医療学部 放射線・情報科学科 准教授

<参加申し込み>
参加をご希望の方は、件名を「5/9記者勉強会 参加申込」とし、所属、氏名、携帯電話番号を明記の上、KEK広報室(press@kek.jp)までメールでお知らせください。Zoomでの参加をご希望された皆様には、当日の午前中までにZoom入場URLのご案内をさせていただきます。

申し込み締め切り:5月9日(金)9時

お問い合わせ先

高エネルギー加速器研究機構(KEK)広報室
Tel : 029-879-6047
e-mail : press@kek.jp