電子や陽電子をデザイン軌道上を走らせるために、加速器では偏向電磁石、四極電磁石、六極電磁石などの主要な電磁石と、軌道の微調整用に多くの補正二極電磁石が使用されます。
偏向電磁石は、加速器中を回っている荷電粒子(ビーム)を一定の角度曲げます。光学系でのプリズムの役目に相当します。
四極電磁石は、ビームが中心軌道の近くから離れないように収束力を与えます。光学系での凸レンズ、凹レンズの役目を果たします。またビームは有限のエネルギー幅を持っています。粒子のエネルギー差により、四極電磁石から受ける収束力が異なります。
それを補正するのが、六極電磁石の役割です。光学系での色収差補償レンズ系に当たります。
補正二極電磁石は小型の偏向電磁石で、ビーム軌道の誤差を補正します。水平軌道を補正する水平補正二極電磁石と、垂直軌道を補正する垂直補正二極電磁石の 2 タイプがあります。
SuperKEKB では、1800 台以上の主要電磁石とおよそ 900 台の補正二極電磁石が使用されます。
(「もっと知りたい!SuperKEKB加速器」より)