2021年度物構研コロキウム 第7回「新学術領域“ハイドロジェノミクス”の研究展開」
開始日時 | 2021/11/22 15:30 |
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終了日時 | 2021/11/22 17:15 |
講演者 | 折茂慎一先生(東北大WPI-AIMR・所長、東北大金研・教授) |
会場 | オンライン(Zoomミーティング) |
連絡先 | naomi.nagata@kek.jp |
言語 | 日本語 |
ウェブサイト | https://pf-form.kek.jp/imss-seminar/ |
概要
ご聴講ご希望の場合は上記のウェブサイトから参加登録をお願いいたします。受付確認メールにて接続情報をお送りいたします。
要旨:
水素は、金属・セラミックス・ポリマー・有機分子をはじめとする様々な物質・材料中でppbオーダーから数質量%に至る極めて広い濃度範囲で安定化するとともに、高い移動性や量子性、そして他の元素と多様な反応性を示します。この時、周囲の状況に応じて原子状態や共有結合性・イオン性(プロトンとヒドリドの両極性)、またそれらの中間状態にもなり、さらに各状態で水素自体の大きささえも劇的に変えます。注目すべき近年の状況は、新たな水素科学の萌芽です。合成・解析技術の進歩により高密度水素化物やヒドリド置換化合物の報告例が増加するとともに、LiBH4やH2Sなどの既知の水素化物でも超イオン伝導や超伝導といった現象が観測されています。水素化物ルネサンスとされるこの萌芽の本質は、複数の水素機能の相乗効果による、従来は顕在化しなかった“高次水素機能”の誘起であり、またこれにより個別の水素機能だけでは実現困難な革新的材料・デバイス・反応プロセスの創成が期待されます。本講演では、水素を「使いこなす」観点でこの新たな水素科学の構築を目指す新学術領域“ハイドロジェノミクス”の研究展開をご紹介します。