欧米での第4世代光源開発研究の現状 / Recent Trend of Light Source R&D in Europe and America

開催日時

2020/10/28 14:00 – 15:00

開催場所

オンライン (Zoom)

講演者

佐々木 茂美 名誉教授 (広島大学放射光科学研究センター)

言語

日本語

詳細ページ

お問い合わせ

小林 幸則 (PHS 4551)


概要

近年欧米では自由電子レーザーや回折限界光源リングを含む第4世代光源の建設ラッシュが続いている。それらの中でも米国SLAC国立研究所でコミッショ ニングが始まったLCLS-IIでは、4 GEV超電導船型加速器の下流にLCLS-Iで世界 初のX線自由電子レーザーの発振に成功した周期長30-mmの固定ギャップアン ジュレーターを改造再利用して製作した周期長550-mm、高K値(K=42)ウイグ ラーを4台挿入し、100アトセカンド台のX線を発生するシステムを開発した。ま た、今年度からはTH光源の開発研究が始まり、全長約10 m、周期長900 mm以下 のウイグラーを用いて3 ~20 THzのテラヘルツ光を発生させ、ポンププローブ実験のポンプ光として利用することおを目指している。
一方、ヨーロッパではトリエステ放射光施設でELLETRA 2.0へのアップグレードが始まり、水平エミッタンス0.35 nm-radを達成見込みである。またDESYでは周長2 km超のリングをエミッタンス20 pm-rad以下で硬X¥線領域まで回折限界光となるPETRA IVへのアップグレードプロジェクトが始まった。
本講演では主にLCLS-IIの二つのプロジェクトで設計・製作したウイグラーの構造と期待される光源としての性能について説明し、時間が許せばヨーロッパの 次世代光源のVUV軟X線ビームラインの光源として検討されているアンジュレーターについて述べる。

 
References
1. S. Sasaki, J. Liu, E.Trakhtenberg., I. Vasserman1, S. Sorsher, J. Z. Xu, A. Zholents, E. M. Kraft, A. Marinelli, presented in VUVX19 International Conference, San Francisco, July, 2019.
2. Z. Zhang, A. S. Fisher, M. Hoffmann, Z. Huang†, B. Jacobson, P. Kirchmann, W.-S. Lee, A. Lindenberg, E. Nanni, R. Schoenlein, S. Sasaki, J. Xu, Proceedings of FEL2019 Conference, Hamburg, Germany, August, 2019.
3. Z. Zhang, A. S. Fisher, M. C. Hoffmann, Z. Huang, B. Jacobson, P. S. Kirchmann, W.-S. Lee, A. Lindenberg, A. Marinelli, E. Nanni, and R. Schoenlein, M. Qian, S. Sasaki, J. Xu, J. Synch. Rad. 27, 890-901 (2020).