アト秒レーザー科学研究施設

開催日時

2020/10/15 13:30 – 14:30

開催場所

オンライン (zoom)

講演者

山内 薫 (やまのうち かおる)氏 (東京大学大学院理学系研究科)

言語

日本語

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お問い合わせ

山口 誠哉 (PHS 4091)


概要

近年のパルスレーザー技術の進展により、高次高調波として100アト秒を切る時間幅を持つ超短パルスの発生が可能となった。このアト秒領域の超短パルスを用いれば、物質中の電子の動きを実時間で観測することが可能となるため、物質科学、生命科学、電子工学、創薬、医療など様々な学術・産業分野において新たなイノベーションがもたらされると期待されている。本構想は、自由電子レーザーアト秒光源と高次高調波アト秒光源を擁する「アト秒レーザー光源の共同利用施設」の建設を目指すものである。
この「アト秒レーザー科学研究施設 (Attosecond Laser Facility: ALFA) 」は、2014年および2017年に、日本学術会議「学術の大型研究計画に関するマスタープラン」の「重点大型研究計画」、そして、文部科学省「学術研究の大型プロジェクトの推進に関する基本構想ロードマップ」に、「優先度の高い大型プロジェクト」として採択されていたが、予算化に至らないままとなっていた。本年、再度、マスタープラン2020の選定が行われた結果、「アト秒レーザー科学研究施設」は、特に速やかに実施すべき「重点大型研究計画」として選ばれた。そして、引き続き行われた文部科学省「ロードマップ 2020」の審査においては、施設設置場所を高エネルギー加速器研究機構つくばキャンパスの敷地内とすることついて高エネルギー加速器研究機構との合意が得られたことが高く評価され、本構想は「実施主体、設備等に関する基本的な設計、研究者コミュニティーの合意形成が明確であり、建設費等の検討が十分になされている計画」として、「ロードマップ 2020」に掲載される見通しとなった。
「アト秒レーザー科学研究施設」を最先端光源を活用した基礎・応用研究の研究者コミュニティーのための国際中核施設として建設し、我が国の将来の科学技術を支える大学院学生や若手研究者の育成の場とするためには、国からの予算措置を得ることが喫緊の課題である。