染色体の構造変換を司るタンパク質の構造を解明

   
  • 東北大学 大学院生命科学研究科
  • 高エネルギー加速器研究機構

    【発表のポイント】

  • ◇ヒトのヒストンシャペロンHIRA(注1)の立体構造をX線結晶構造解析によって世界で初めて解明しました

  • ◇HIRAの三量体形成が、ヒストンやHIRAのパートナータンパク質であるCABIN1との相互作用に必須であることを発見しました
  • ◇HIRAは転写と修復に関わる多くのタンパク質を集積して機能させる構造基盤であるプラットフォームとしての役割を担うと予想されます



【概要】
真核生物の染色体は、ヒストンと呼ばれるタンパク質にDNAが巻き付いた「ヌクレオソーム」という基本構造の繰り返しから構成されています。真核生物の遺伝情報の継承、発現、修復にはヌクレオソームの構造変換を伴います。この構造変換には、ヒストン以外にヒストンシャペロンとよばれるタンパク質群が関わってきます。
東北大学大学院生命科学研究科の佐藤優花里助教(研究開始当時: 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 研究員)、高エネルギー加速器研究機構の千田俊哉教授、米国ペンシルベニア大学のM. Daniel Ricketts博士とRonen Marmorstein教授、仏国キュリー研究所のDominique Ray-Gallet博士とGeneviève Almouzni所長らの国際共同研究グループは、ヒストンシャペロンの一つであるHIRAがヌクレオソームの形成を制御する仕組みの一部を明らかにしました。本研究では、X線結晶構造解析によりHIRAの立体構造を解明し、またヒト細胞株を用いた実験によりHIRAの三量体形成がヒストンやHIRAのパートナータンパク質CABIN1との相互作用に必須であることを証明しました。これらの発見は、癌などの疾患の発症機構の解明とその治療法の開発に繋がると期待されます。
本研究成果は、8月6日10時(ロンドン時間、日本時間8月6日18時)に英国科学誌の「Nature Communications」(電子版)に掲載されました。

詳しくはプレスリリース(PDF)をご参照ください。

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