衝突点直前では電子・陽電子ビームを最終形状に絞り込む必要があり、両ビームに非常に強い収束力を与える必要があります。この非常に強い収束力を発生するために、磁石口径内で半径方向に磁場勾配を持つ超伝導四極電磁石が使われます。超伝導四極電磁石は、ニオブチタン材で作られた4個の超伝導コイルから構成されています。このコイルには電流密度として1平方mmあたり820Aの電流が流されます。この電流密度は、常伝導電磁石の100倍以上に相当し、この結果、強力な磁場と磁石の小型化が可能となります。特に、ビーム衝突点に最も近い超伝導4極電磁石はコイル内半径が25mmしかなく、この磁石の実現は超伝導技術でしか達成しえません。
また、超伝導電磁石を運転する為には四極磁石を絶対温度4K(-269℃)まで下げる必要があり、磁石の冷却の為に液体ヘリウムが使用されます。
(「もっと知りたい!SuperKEKB加速器」より)4