加速器だから見える世界。
加速器で“見る”

自分の尾を飲みこもうとしている蛇の姿は古来、ウロボロスと呼ばれてきました。極微の素粒子の姿が広大な宇宙の始まりにつながる自然界は、こうしたウロボロスの姿と見ることができます。KEKではこのようにぐるりとつながった世界を加速器で見ています。
宇宙の始まりを見る
宇宙の謎をひも解く新物理を探す

Belle II実験
Belle Ⅱ実験では、KEKのSuper KEKB加速器で電子と陽電子(電子の反粒子)を衝突させ、できた粒子の崩壊を調べることで未解明な宇宙の謎を解く鍵となる新しい物理現象を探しています。
巨大加速器で初期宇宙の謎に挑む

ATLAS実験
欧州合同原子核研究機関(CERN)のLHC加速器で行われているATLAS実験では、世界最高エネルギーの陽子と陽子を衝突させて、誕生直後の宇宙を人工的に再現し、宇宙初期を支配していた未知の素粒子などを探します。
宇宙から反物質が消えた謎にニュートリノで迫る

T2K実験
T2K実験では、茨城県のJ-PARCでつくられたニュートリノビームを、295km離れた岐阜県のスーパーカミオカンデ検出器に向けてうち込みます。ニュートリノと反ニュートリノの性質の違いを測定し、宇宙誕生時に物質と同じだけ存在したはずの反物質が消えた謎に迫ります。
原子核をつくる力に迫る

奇妙な粒子
陽子、中性子の仲間の「奇妙な粒子」ハイペロンを加速器でつくり、それらの間にはたらく力を調べています。この研究は、宇宙の歴史の中で様々な原子核ができた謎や、「巨大な原子核」ともいえる中性子星の内部構造の解明にもつながります。
生命の不思議を見る
アジアに胃がんが多い理由


ピロリ菌がつくる胃がんの原因物質CagAの構造を放射光X線で解析すると、東アジア型の菌では胃の粘膜にCagAがぴったりはまり、発がんにつながることがわかりました。欧米型の菌ではブカブカで、アジアに胃がんが多い理由と考えられています。
物質の成り立ちを見る
光触媒表面のでこぼこ

光触媒は光が当たる表面で作用します。代表的な光触媒、酸化チタンには表面の原子の並びが詳しくわかっていないものがありましたが、陽電子線を表面すれすれに当てて全反射させて調べると、意外にも非対称な配列だとわかりました。
未来の電池の電気の流れ

丈夫で長持ちな次世代電池として期待される全固体電池。その有力候補フッ化物イオン伝導体の中で、原子がどう並び、イオンがどう流れるかを中性子回折実験でとらえた様子です。次へのヒントにつながります。
天保小判の金と銀

壊したくない貴重な試料はミュオンで分析します。ミュオン特性X線で内部の元素分布を調べると、金色に光る小判も表面の下には銀が多いことがわかりました。
メッキではなく、「色付」という江戸時代の金座の職人技です。
メッキではなく、「色付」という江戸時代の金座の職人技です。
描く未来
国際リニアコライダー計画

世界最高エネルギーまで、電子とその反粒子である陽電子を直線状に加速して正面衝突させる実験装置です。物質の重さの起源と考えられるヒッグス粒子を大量につくり、究極の自然法則と宇宙の始まりの謎の解明を目指します。
加速器を使った新しいがん治療法

BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、中性子と反応しやすいホウ素をがん細胞に取り込ませ、中性子線を当ててがん細胞だけを破壊できる理想的な治療法です。普及を目指し、加速器の開発を進めています。