高﨑史彦名誉教授のご逝去について

高エネルギー加速器研究機構(KEK)の高﨑史彦(たかさき・ふみひこ)名誉教授におかれましては、令和8年1月21日、間質性肺炎のため、逝去されました。82歳でした。ここに謹んでお知らせいたします。 

高﨑史彦名誉教授
高﨑史彦名誉教授(2019年)

高﨑名誉教授は、1971年に東京大学大学院理学系研究科博士課程を修了し、東京大学助手などを経て1979年、KEKの前身である高エネルギー物理学研究所に助手として着任しました。わが国初の電子陽電子衝突型加速器「トリスタン」計画において、測定システム「VENUS」の建設を主導し、実験の成功に大きく寄与しました。 

その後、KEKB加速器を用いたBファクトリープロジェクトを設計当初から指揮し、Belle国際実験グループを率いてB中間子の崩壊過程における精密測定を牽引しました。この成果は「小林・益川理論」の実験的検証という快挙につながり、2008年の小林誠、益川敏英両博士のノーベル物理学賞受賞への決定的な役割を果たしました。また、クォーク4体で形成される新たな状態を世界で初めて実験的に固定するなど、素粒子物理学の発展に多大な足跡を残しました。また宇宙線ミュオンを使ったピラミッドや原子炉の透視にも取り組みました。 

研究面での功績のみならず、2006年からは素粒子原子核研究所長およびKEK理事を歴任し、組織の運営と発展に尽力しました。若手育成にも情熱を注ぎ、2007年には全国の学部学生を対象とした教育プログラム「サマーチャレンジ」を立ち上げるなど、次代を担う研究者の育成に多大な貢献をしました。 

これらの長年の功績により、仁科記念賞、折戸周治賞、米国物理学会パノフスキー賞、日本学士院賞を受賞し、2019年には瑞宝中綬章を受章しました。 

なお、葬儀・告別式は近親者で執り行われました。 

高﨑名誉教授の生前のご功績を偲び、心より哀悼の意を表します。 

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