Bファクトリー研究
目的・ビジョン
電子・陽電子衝突加速器実験により、大量に生成されたB中間子やタウ・チャーム粒子などの崩壊現象を研究し、粒子・反粒子の対称性の破れや宇宙初期に起こったはずの極めてまれな現象を再現し、未知の粒子や力の性質を明らかにします。 それにより、新しい物理法則の解明を図り、宇宙から反物質が消えた謎に迫ります。
概要
KEKのBファクトリー加速器(KEKB)は、80億電子ボルト(8GeV)の電子と35億電子ボルト(3.5GeV)の陽電子を衝突させ大量のB中間子、タウ粒子やチャーム粒子を生成します。 1994年より建設が始まり、1999年より運転を開始し、2010年まで約10年にわたり世界最高の性能で運転を続けてきました。 Belle測定器は、世界15の国と地域からの約60の大学・研究機関に所属する約400人の研究者が参加する国際共同チームにより建設・データ収集および物理解析が行われてきました。 2001年には、B中間子と反B中間子の対称性の破れを発見し、小林・益川理論の検証を行うなどの成果をあげてきました。
2010年夏より、加速器のビーム衝突性能を40倍増強するための改造が始まり、それに合わせBelle測定器もより高いビーム強度に対応するBelle II 測定器への改造が行われています。