ZEUS
世界最高エネルギーの電子・陽子衝突実験で、陽子の内部構造やクォーク・グルーオンの振舞いを研究しています。
概要
ドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)には、世界で初めての電子・陽子衝突型加速器(HERA)が建設されました。 275億電子ボルト(27.5 GeV)のエネルギーの電子または陽電子と9200億電子ボルト(920 GeV)のエネルギーの電子または陽電子と920 GeVの陽子を正面衝突させます。
KEKの素粒子原子核研究所を中心とする日本グループは、国際共同実験ZEUSグループの中核として重要な役割を果たしました。 測定器建設においては、カロリメータ、トリガー、シリコン検出器などを担当しました。 1992年から実験が始まり2007年に運転が終了しました。
ZEUS実験は、電子をプローブとして陽子の内部を探る、いわは巨大な電子顕微鏡実験です。 実験では、陽子の大きさの1000分の1程度までの構造を探り、陽子を構成しているクォークやグルーオンの分布を詳しく測定して、その振る舞いが量子色力学(QCD)でよく記述できることを示しました。 一方、レプトンとクォークの間の相互作用を精密に調べることにより、新相互作用、新粒子の探索も進めましたが、このエネルギー領域では、「標準理論」を超える物理の兆候は見られませんでした。 しかし、ZEUS実験で得られた陽子内部のクォークの分布などの結果は、LHCなどより高いエネルギーでの衝突実験のための重要な基礎データになっています。
関連ページ
-
カテゴリで探す
-
研究所・施設で探す
-
イベントを探す
-
過去のニュースルーム