トリスタン実験
トリスタン実験は、衝突型加速器を用いて行われた日本で初めての本格的な素粒子物理学実験です。
概要
トリスタン計画は1980年代初頭から90年代中頃まで実施されたプロジェクトで、当時の世界最高エネルギーにおける電子陽電子反応の研究が実施されました。 加速器としては電子と陽電子それぞれ300億電子ボルト(30GeV)の電子陽電子衝突型加速器で、約3kmの周長上の4か所に於いて電子ビームと陽電子ビームの衝突がなされました。 そして、加速器の3か所に、VENUS, TOPAZ, AMYと呼ばれた、それぞれ特徴のある3つの測定器が設置され、実験が行われました。
TRISTAN実験では人類未踏の最高エネルギーでの新しい粒子や現象の発見が期待されました。 中でも、トップクォークの発見には大きな期待がかけられました。 しかし、残念ながらエネルギーが足らないことが後に判明し、発見には至りませんでした。
一方で、グルーオンの自己相互作用の証明や、グルーオンジェットの性質の解明など、強い相互作用の研究では大きな成果をもたらしました。 また、技術的にも、超電導加速空洞の開発とその大規模な採用など、加速器技術に大きな発展をもたらし、後のKEKB加速器の成功を可能にしました。
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