RHIC-PHENIX実験
PHENIX実験(the Pioneering High Energy Nuclear Interaction eXperimentの略称)は、米国ブルックヘブン国立研究所(Brookhaven National Laboratory: BNL)の重イオン衝突型加速器RHIC(Relativistic Heavy Ion Coilder)で2000年から行なわれている高エネルギー原子核衝突実験です。
概要
素粒子の標準模型を構成する「量子色力学(QCD)」は、強い相互作用をする粒子(ハドロン)の集まりが高温(150-200メガ電子ボルト(MeV))高密度(>1ギガ電子ボルト(GeV)/fm3)の極限条件下において、クォークとグルーオンによる新しい物質相「クォーク・グルーオン・プラズマ」(QGP)へと相転移することを予想しています。この未知の物質相は、ビックバン直後に実現したと考えられており、宇宙や星、さらには物質そのものの進化の歴史を解明する上で重要な研究対象です。クォーク・グルーオン・プラズマを実験室において実現し、さらには QCD の物性的な側面を理解することを目指して、RHICでのPHENIX実験が行なわれています。日本の大学の研究者は、日米科学技術協力事業のもとでこの実験に参加しています。世界11ヶ国(ブラジル、カナダ、中国、ドイツ、インド、イスラエル、日本、韓国、ロシア、スウェーデン、米国) 43研究機関からの430名を超える研究者・技術者・大学院生が参加しています。RHICは周長3.8kmの二つの独立なリングから成る加速器で、相対論的な高エネルギーまで加速された重イオン同士を衝突させます。金の原子核同士の衝突では核子あたりの重心系エネルギーが200GeV、陽子・陽子の衝突では500GeV になります。PHENIX実験の測定器は、中央の電磁石を囲む二つのスペクトロメータ(東アームと西アーム)と、ビーム軸の前後方に設置された両ミューオンアーム、衝突点近傍付近に設置された検出器とから構成されています。衝突で生成されたハドロン粒子、光子、電子、ミューオンを測定することができます。
関連するWebページ
米国ブルックヘブン国立研究所 http://www.bnl.gov/world/
RHIC加速器 http://www.bnl.gov/RHIC/
RHENIX実験 http://www.phenix.bnl.gov/
関連する研究グループ
PHENIX-Jホームページ http://phenix.cns.s.u-tokyo.ac.jp/phenix-j/index.html
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