アトラス実験
欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロンコライダー(LHC)において、世界最高エネルギーの陽子・陽子衝突実験を進め、宇宙誕生直後の状態を再現し、宇宙を支配する物理法則の解明を進めます。
概要
大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider:LHC)は欧州合同原子核研究機関(CERN)に建設された世界最高エネルギーの陽子・陽子衝突型加速器です。 加速した陽子同士を高エネルギーで正面衝突させます。
2009年11月に初めての衝突に成功し、2010年から3兆5千億電子ボルト(3.5TeV)まで加速した陽子を衝突させる実験が始まりました。 このエネルギーで2012年まで運転し、その後設計値の7TeVまでエネルギーを上げていく予定です。
ATLAS実験は大型の国際共同実験グループです。 世界中から約30カ国、2000名の研究者が参加しています。 日本からは、KEKなど15研究機関からの約100人の研究者・大学院生がアトラス実験に参加しています。 測定器の建設・運転において、日本チームは主に、ミューオン検出器、中央飛跡検出器用シリコン検出器、超伝導ソレノイド電磁石、データ収集システムの開発及び建設を分担してきました。
アトラス(ALTAS)実験では、ヒッグス粒子や標準理論を越える新しい現象の発見を目指します。 宇宙にたくさんあると思われる謎の物質「ダークマター」の直接生成や、この世界が3次元より高い可能性の検討なども進めていきます。 物理解析では、いろいろな国の人が参加するチームが編成されて、競争しつつ協力しながら進めています。
2010年にはたくさんの衝突事象を観測しました。 ここからは、トップクォークやW、Z粒子など、これまで見つかっている標準理論の粒子の再発見が進みました。 現在は、精密測定をさらに進めて、標準理論を超える現象の探索を行っています。
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