第42回つくば不安定核セミナー
概要
2016 年11 月、日本初の新元素としてニホニウム(Nh) が周期表に加わり新元素合成に対する興味が非常に高まってきている。九州大学の森田浩介氏が率いる理化学研究所のグループによる成果である。新元素合成において、今後の方針は(1) 原子番号119 番以上の未知元素の合成、(2) 安定な島(Z=114, N=184) への到達、という二つの課題が大きな柱になっていくと考えられる。この課題に向けて、実験装置の改良・開発、核子移行反応等による新しい実験手法の検討が活発に議論されている。このような状況の下、理論計算による支援は不可欠であり、実験計画に貢献できるようにさまざまな改良が試みられている。我々はこれまで動力学模型を採用し、蒸発残留核断面積の評価を行ってきた。低エネルギー領域で顕著となる核構造の影響は、ポテンシャルだけでなくランジュバン方程式の中に現れる輸送係数にも考慮する必要が指摘されている。本研究では、超重元素領域の融合分裂過程において、原子核の持つ内部構造がどのように影響を与えるかを動力学模型、殻補正エネルギー、微視的輸送係数をキーワードに解明することを目的とする。またこのような解析を用いて、新元素合成の可能性について議論を行う。
*セミナーに先立って、超重元素合成と動力学模型の基礎についての講義を行います。
5 月17 日、13:30-14:30、14:40-15:40。場所はセミナー会場です。対象は学部・修士以上。
*会場は次のURL でご確認ください。https://asrc.jaea.go.jp/access.html
会場の研究1棟は構内図にある先端基礎研究センターの隣の建物です。ご来場される方は入構手続きの関係上、
5 月13 日までに連絡責任者(JAEA、宇都野氏;utsuno.yutaka@jaea.go.jp)までご連絡ください。
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