Bulk-To-Point 法を用いた極低エミッタンスビーム評価用トラッキングシミュレーションコード
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開始 | 2017/09/26(火)13:30 |
終了 | 2017/09/26(火)14:30 |
会場 | 3 号館 7 階 会議室 |
講演者 | 水野 明彦氏 (高輝度光科学研究センター・光源基盤部門) |
言語 | 日本語/Japanese |
連絡先 | 古川 和朗 (PHS 4316) |
ウェブサイト | |
食堂・売店 | 利用予定なし/0 |
概要
昨今において、ERL、XFEL 等では極低エミッタンス電子ビーム源が要となっており、その設計にはビームトラッキングシミュレーションコードが必須である。一方で、シミュレーションコードは多数存在しているにも関わらず、極低エミッタンスビームを対象とした場合には、コードによって計算結果が異なる現状がある。講演者は、空間電荷効果の計算法として、全ての粒子間相互作用を計算する Point-To-Point 法によりトラッキングコードを開発してきたが、エミッタンスが、粒子数、および初期粒子分布に依存する状況にあった。これは、電気素量よりもはるかに大きな電荷を有する点電荷が誘起する電磁場を計算しているために、点電荷同士が接近した場合に非常に大きな相互作用が働いてしまうことが主たる原因であると考えられる。粒子数を増大すれば、一般的にはエミッタンスは減少し、最終的に真値に収斂することは予想されるが、計算時間が増大し、現実的では無い。これを解決するために、体積を持った電荷からの電磁場を計算し、それを各点電荷に作用させてトラッキングを行う、Bulk-To-Point 法を用いたコードを開発した。バンチを長手方向にスライス、 径方向にドーナツ状に分割し、分割メッシュ各交点にトラッキングされる粒子を置く。各粒子に、メッシュで分割される各ドーナツが誘起する電磁場を作用させながらトラッキングを行うものである。コードの特性により点電荷同士の接近は起こらないため、粒子数が少なくても高精度な計算を行うことのできるコードを開発することに成功した。また、ドーナツが誘起する電磁場の計算方法を工夫することに依って、短時間での計算を可能にした。講演では、本コードを紹介する。さらに、高精度なエミッタンス計算の例として、空間電荷効果 によるエミッタンス低減現象について言及する。
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