第36回つくば不安定核セミナー
概要
原子核の殻構造ではスピン・軌道分裂が本質的に重要であるが,その起源は今なお十分に理解されているとは言い難い.最近,カイラル有効場理論から導かれる3 核子間力がLS チャネルに密度依存性をもたらし,それによってスピン・軌道分裂の不足分が説明できるとの指摘がなされた.本講演では,半現実的なM3Y-P6 及びそのvariant であるM3Y-P6a 相互作用を例に,やはり長年の問題であったPb 核のisotope shift のkink がそのような3 体LS 力によって解決され得ることを示す.Pb 核のisotope shift が3 体LS 力の証拠になっているとも見なせよう.さらに,従来平均場計算では再現が非常に困難であった40Ca と48Ca の荷電半径がほぼ等しいという実験事実も,3 体LS 力を含むM3Y-P6aによりよく記述できることが分かった.M3Y-P6a はSn 核のisotope shift についても今までの実験データをよく再現し,加えてN = 82 にkink を予言する.このkink はLS チャネルに密度依存性がない相互作用では得られておらず,Ni 核と併せ今後の実験による3 体LS 力の更なるtest として興味が持たれる.
* The presentation file is written in English, but the talk will be given in Japanese.
* セミナーに先立って、核物質に対するHartree-Fock 理論についての講義を行います。
5 月11 日、13:00-14:20、14:30-15:50。場所はセミナー会場です。
対象は学部・修士以上。
* 会場は次のURL でご確認ください。http://www.ccs.tsukuba.ac.jp/ccs_introduction/access
* 車でのご来場の場合は、入構手続き、駐車場など次のURL を参照してください。http://www.t-anzen.org/
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