物構研談話会(15-14)
カテゴリ | |
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開始 | 2016/03/10(木)15:00 |
終了 | 2016/03/10(木)16:00 |
会場 | 4号館2階輪講室2 |
講演タイトル | 生命現象の数理モデリングによる大規模生命データ解析 |
講演者 | 木立尚孝先生(東京大学大学院 新領域創成科学研究所 メディカル情報生命専攻) |
言語 | 日本語/Japanese |
連絡先 | naomi.nagata@kek.jp |
ウェブサイト | |
食堂・売店 | 利用予定なし/0 |
概要
次世代シーケンサーを始めとする計測機器の進歩により、多様な生命データが蓄積しており、これらの網羅的なデータから生物学的に有用な情報を抽出するバイオインフォマティクス技術の重要性が高まっています。私達の研究室では、機械学習や微分方程式など情報科学的、数学的技法を駆使することで、ぱっと見では分からない、データに潜む生物学的真実の発見を目指しています。
前半部分ではRNAの二次構造解析について取り上げます。生体分子モデルの中でも、RNA二次構造の計算モデルは特にうまくいくモデルです。このモデルでは、生化学者により測定されたエネルギーパラメータに基づき、天文学的数の二次構造候補を網羅的に評価できます。このような計算ができるのは、情報科学において人間の言語を理解するために発展した、文脈自由文法理論のおかげです。私達はこの二次構造モデルを駆使して、RNA結合タンパク質結合サイト周辺のRNA二次構造モチーフを推定する技法を開発しています。
後半部分では、微分方程式による生物モデリングをデータ駆動型研究に活かす技法の開発について紹介します。次世代シーケンサーの登場により、分子レベルの生命データは爆発的速度で蓄積しています。しかし、それらミクロスケールのデータから、生体組織の性質や個体の振る舞いを予測することはあまり出来ていません。これは現在のバイオインフォマティクスがまだ浅いレベルのデータ解析に留まり、複雑で多階層の生命システムを上手くモデル化できないことが一つの原因だと考えられます。そこで私達は、データから支配微分方程式を自動推定する機械学習技術の開発に取り組んでいます。応用例として、一細胞シーケンシングと人工進化実験のデータ解析について取り上げます。
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