「新たな資源、どう使う?」~大学共同利用機関シンポジウム2023が開催されました

パネルディスカッション「新たな“資源”、どう使う?」

10月22日、大学共同利用機関シンポジウム2023「現在の社会問題に挑む日本の科学」が、日本科学未来館 未来館ホールとニコニコ生放送にてハイブリッド開催されました。大学共同利用機関シンポジウムは、大学共同利用機関協議会と大学共同利用研究教育アライアンス(IU-REAL)が主催し年に一度開催しているもので、今年は国立国語研究所が事務局を務めました。

今年のシンポジウムは、最先端の研究成果を紹介しながら、現代の社会問題に対して、日本の科学・学術研究がどのような役割を果たせるのかを検討する二つの研究者トークで構成されました。KEKからは、午後の研究者トーク「新たな“資源”、どう使う?」に研究者2名が登壇しました。

物質構造科学研究所 大友 季哉(おおとも としや)教授は「量子ビームでみる水素」と題して話し、新しいエネルギー源として注目される水素を取り上げました。中性子ビームは、最も単純で最も見ることが難しい水素を見分けることができます。その中性子ビームを使った観察例として、水素を貯蔵する材料中の水素や燃料電池内の水を見る研究を紹介しました。

続いて、加速器研究施設の本田 洋介 准教授が登壇し、「超伝導空洞の技術革新が導く加速器技術の社会応用」について話しました。加速器とは何か、何をどうやって加速し、社会にどう役立っているのかを説明した後、開発が盛んな超伝導を用いた加速器のエネルギーコストについて利点と課題を考察し、産業応用への夢を語りました。

午後の部5名の研究者トークの後、パネルディスカッションが開催されました。視聴者からの疑問に加えて「資源とよりよく付き合うために大切なことは?」「研究していて『ここがもったいない』と思うことは?」などの質問に、研究者それぞれが答えました。異分野交流や情報共有の大切さも話題にのぼり、ディスカッションだけでなくニコニコ生放送のコメントも盛り上がりました。

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