牛乳のナノサイエンス ~牛乳のミクロ構造が温度に対して敏感に変化することを発見~

大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

 

概要

高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所の高木秀彰助教、南日本酪農協同(株)の中野智木博士、鹿児島大学の青木孝良名誉教授、山梨大学名誉教授で東京聖栄大学の谷本守正教授の研究グループは共同で、牛乳の主成分であるカゼインタンパク質が作るミセル構造が温度に対して敏感に、かつダイナミックに変化することを解明しました。これまでの研究ではミセルサイズを調査した例はありますが、サブミクロンからナノメートルオーダーにわたるミセルの内部構造が温度に対して敏感に、かつ大きく変化することを発見したのは世界初です。温度などの外部環境は牛乳の加工性に強く影響を与え、また母牛の体調変化による乳の性質変化とも密接に関係があります。本研究の成果は、食品科学や酪農・畜産科学だけでなく、医学や栄養学など多岐にわたる分野に波及することが期待されます。

 

本研究成果のポイント

○ 牛乳の殺菌温度によってチーズ・ヨーグルトなどの乳製品の加工性(凝固のしやすさ)や物性(味や食感)は大きく変化するが、牛乳の構造自体が明確には分かっておらず、理由が説明できていなかった

○ 放射光X線小角散乱法を用い、熱変性を起こさない温度範囲で牛乳の主成分であるカゼインタンパク質が作る牛乳のミセル構造をリアルタイム測定したところ、10~40℃の温度変化でミセル内の構造がダイナミックに可逆変化していることが分かった

○ 乳の構造が温度の影響を強く受けることがわかったことで、乳製品の製造の改善や、母牛の体温管理による高品質の牛乳生産につながることが期待される


詳しくは  プレスリリース  をご参照ください。

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