世界の科学者からの国際リニアコライダーの重要性を再確認する声明

   

KEKも参加するリニアコライダー・コラボレーション(LCC)からのプレスリリースを翻訳転載します。 KEKは加速器空洞や超伝導リニアック加速器、試験加速器、測定器の開発/設計、ILC加速器本体や周辺施設の全体設計、そしてILC実験のシミュレーション研究を進め、リニアコライダーの実現に向け貢献しています。

世界の将来の粒子加速器について話し合う国際会議に集まった科学者は、国際リニアコライダー(ILC)計画の重要性を再確認する声明を発表しました。 ILCはスイスの欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロンコライダーの次の世代を担う加速器です。 このほど、 リニアコライダー・コラボレーション(LCC)とLCWS2019(宮城県で開催)の参加者は、 ILCの科学的な重要性を再認識し、国際プロジェクトとしてILCを推進に尽力することを発表するものです。

声明本文

ILCの実現に向けた宣言:「仙台宣言」

現在、仙台市で開催されているリニアコライダー国際会議(LCWS2019)に、多くの国と地域から科学者が集まっている。我々は世界の仲間とともに、ここに「仙台宣言」を発表する:

我々はILC建設の重要性を再確認する。
これまでのLCWS会議における宣言において、我々は宇宙を理解するための本質的な次のステップとして、ヒッグスファクトリーの建設を提案した。この提案は欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロンコライダー(LHC)から得られた最新結果によって、さらに説得力を増している。2019年3月、国際将来加速器委員会(ICFA)は、これが次の世界規模のプロジェクトであると国際的に合意されていることを確認した。

ILCの設計は成熟しており建設の準備が整っている。
ILCの鍵となる超伝導加速技術はドイツの欧州X線自由電子レーザー(XFEL)で実証され、日本、中国、米国でもプロトタイプが開発されている。結果として、経費の見積もりは技術に裏打ちされた堅実なものとなっている。ILCの設計性能を達成するために重要で不可欠な技術は、高エネルギー加速器研究機構の先端加速器試験施設で既に開発・実証されている。ILCの設計には、将来、より高いエネルギー、より高いルミノシティにアップグレード可能な柔軟性がある。初期段階の研究プログラムは、それ自身長期的で生産的なものであるが、この柔軟性を活用することにより、さらに発展させることができる。

我々は地域社会から強い支持を受けている。
2019年3月のICFAとリニアコライダー国際推進委員会(LCB)との合同会合において表明された、文部科学省及び関係省庁におけるILCへの継続的な関心は、日本政府の最初の公式見解として高く評価されている。世界の研究者は、日本の国会議員の力強く絶え間ない支援に感謝している。加えて、我々はこの会議の全期間を通じて、日本特に東北地方のコミュニティ、産業界から、ILC実現への強い支持と熱意を感じた。

我々はILCの成功に向けて力を尽くす。
ILCの科学的重要性、その技術的成熟度、及び日本におけるILC実現への強力な支援に鑑み、仙台でのLCWS2019に参加している国際コミュニティは、ILCに取り組む世界中の仲間と共に、ILCの建設及び科学的探求を国際プロジェクトとして推進することを改めてここに誓う。

LCWS2019に参加している科学者
リニアコライダーコラボレーションを代表して

注: これは研究者による日本語訳であり、正文は英語版である
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