K中間子と二つの陽子からなる原子核の発見-クォークと反クォークが共存する"奇妙な"結合状態-

   
  • 理化学研究所
  • 高エネルギー加速器研究機構
  • 日本原子力研究開発機構
  • 大阪大学
  • 東北大学
  • Istituto Nazionale di Fisica Nucleare
  • The Stefan Meyer Institute
  • J-PARCセンター

概要

理化学研究所(理研)開拓研究本部岩崎中間子科学研究室の岩崎雅彦主任研究員らの国際共同研究グループは、大強度陽子加速器施設「J-PARC」にて、クォークと反クォークが共存する「中間子束縛原子核」の生成実験に世界で初めて成功しました。 本研究成果は、量子色力学における核子の質量の起源や、中性子星の中心部にできる超高密度核物質の解明などの基本的理解に貢献すると期待できます。

原子核内に陽子と中性子をつなぎ止める”糊”の役目をする中間子は、原子核から真空中に取り出すこともでき、固有の質量と寿命を持った「実粒子」として振る舞います。 しかし、実粒子として振る舞う中間子が、陽子や中性子とともに原子核を作ることができるかは分かっていませんでした。

今回、国際共同研究グループはJ-PARCにおいて、K-中間子ビームをヘリウム3原子核標的に照射する実験を行い、K-中間子と二つの陽子(p)が結合した中間子束縛原子核 “K-pp”を作ることに成功しました。 この状態の束縛エネルギーは50メガ電子ボルト(MeV、Mは100万)であり、これは通常の原子核の束縛エネルギーの約10倍にも達し、かつK-中間子自身の質量エネルギーの10%に達することが分かりました。 ここから、この結合状態はコンパクトな高密度状態であると予想され、極めて特異的な高密度核物質が自発的に形成されたと考えられます。

本研究は、欧州の科学雑誌『Physics Letters B』掲載に先立ち、オンライン版(1月2日付け)に掲載されました。

詳しくは プレスリリース をご参照ください。

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