「国際リニアコライダーのための超伝導高周波技術に関するシンポジウム」が開かれました

   

国際リニアコライダーのための超伝導高周波技術に関する国際シンポジウムが6月25日(月)、東京大学福武ホール・福武ラーニングシアター(東京都文京区)で開催されました。

高エネルギー加速器研究機構(KEK)、リニアコライダーコラボレーション(LCC)、東京大学素粒子物理国際研究センター(ICEPP)が主催したシンポジウムには、ILC関係者だけでなく、超伝導加速技術の研究者や関心を持った企業の方々など世界中から155名が参加しました。

満席となった会場の様子

ILC実現のキーとなる重要な技術である、超伝導高周波技術は成熟段階にあり、素粒子物理や物性研究用の大型加速器分野にとどまらず、医療用加速器など産業界でも広く活用されつつあります。 現在、超伝導高周波技術の研究開発や超伝導加速器の高性能化の取り組みは世界各国で進められています。本シンポジウムでは、世界の超伝導高周波技術の研究開発事例を紹介するとともに、超伝導加速器がもたらす他分野、産業界への波及効果を紹介しました。

岡田安弘KEK理事の開会挨拶でシンポジウムはスタート。続いて、駒宮幸男 早稲田大学教授は「ILCが目指す物理と国際協力」、道園真一郎 KEK加速器研究施設教授は「ILCの加速器技術とその応用」と題して、ILCの概要を説明しました。LCCディレクターのリン・エバンス氏からはILCの中での超伝導加速技術の重要性とそのILC以外への波及効果への期待を込めた挨拶がありました。

写真左から:岡田氏(KEK)、駒宮氏(早稲田大学)、道園氏(KEK)、エバンス氏(LCC)

午前の部では、さらに、世界の超伝導高周波技術研究開発事例の紹介として、米国、ヨーロッパ、中国の状況について講演がありました。

写真左から:超伝導高周波技術研究開発の事例を紹介するセルゲイ・ベロメニッキ氏(米国フェルミ研究所 技術部門部門長)、ハンス・ワイズ氏(ドイツシンクロトロン研究所 ヨーロッパXFEL部門長)、ジー・ガオ氏(中国科学院高能物理研究所 ILC-IHEPグループリーダー)、アンナ・グラッセリーノ氏(米国フェルミ研究所 技術部門副部門長)

午後の部は、2016年に窒素インフュージョン技術を開発した米国フェルミ研究所のアンナ・グラッセリーノ氏をはじめ、世界の研究者から研究開発の状況について、また、超伝導加速器がもたらす他分野への波及効果として、産業・医療用加速器や中性子源などについての講演がありました。

休憩中にも議論を交わす参加者ら

シンポジウムの主催者である道園氏は、「参加者の皆さんには、ILCで利用する超伝導加速器が成熟段階にあり、さらに多様な応用研究が進んでいることがご理解いただけたと思う。超伝導加速技術はILCにとって重要な技術であり、また医療用や小型加速器など幅広い応用が期待できる。日本を含めた世界で今後とも幅広い研究開発を進める価値がある」と述べていました。

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