2022/03/30 KEKエッセイ 【KEKエッセイ#59(最終回)】私の30年間に分かったこと、分からないこと 私がKEKで素粒子物理の研究を始めて、30年以上たちました。この間、次々と大きな謎の解明があった一方で、いっそう広大で深遠な謎も誕生していま…
2022/03/15 KEKエッセイ 【KEKエッセイ#58】旅は道連れ世は情け~私のエジプト体験~ 新型コロナウィルスの世界的な感染拡大により、国をまたいだ往来ができなくなってほぼ2年。世界中を飛び回っていたKEKの研究者たちも、今はSTA…
2022/02/16 KEKエッセイ 【KEKエッセイ#57】「大統合自然史」事始め ~少年老い易く学成り難し~ 少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず‥‥。理科少年だったわたしは天体観測、プランクトン観察、化学実験、化石探し、土器・石器作りな…
2022/01/28 KEKエッセイ 素核研 【KEKエッセイ#56】素粒子の足跡を追う つくばキャンパスの電子・陽電子衝突型加速器SuperKEKBは地下11メートルににある周長約3kmの巨大な実験施設ですが、その中心部はほとん…
2022/01/14 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #55】不思議の国「量子ワンダーランド」にようこそ! NASAの毎年の予算はおよそ3兆円。そんな膨大な国家予算が毎年組める背景には、NASAの宇宙開発に対する米国民の熱狂的な支持がある。宇宙飛行…
2021/12/24 KEKエッセイ 共通基盤 【KEKエッセイ #54】 ピン止め 筆者前書き 1986年に発見された高温超伝導は、これまで稀少資源であるヘリウムを液化して-269度まで冷やすことが必須だった超伝導を、一気に…
2021/12/08 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #53】 イチノセキ、ラブリー シティー 私は2010年春から約1年半、岩手県一関市の一関工業高等専門学校で教員として勤務しました。この間、東日本大震災も経験しましたが、抱えきれない…
2021/11/15 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #52】 「月の満ち欠け」と宇宙の空間認識の難しさ 天文現象の説明は難しいものです。地球から見える太陽や月や星の動きの様子を天動説的に説明し、さらにそれらの動きを地球の外から眺めて地動説的に説…
2021/10/21 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #51】 KEK構内にいるキツツキ 梅雨入り間近の6月上旬、理論センター長のHさんと理論秘書のI岡さんとO野さんから、「キツツキが木をつついているような音がする」との情報がもた…
2021/09/30 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #50】ノーベル賞を考える 今年のノーベル賞の発表がいよいよ来週に迫ってきました。第40回のKEKエッセイ「小林・益川理論とピラミッドをつなぐもの」で、小林誠・KEK特…
2021/09/14 KEKエッセイ 素核研 【KEKエッセイ #49】天使と素粒子 現代物理学では素粒子は大きく2種類に分類されます。フェルミ粒子とボーズ粒子です。素粒子はそれこそ「素」なので、どれも完全に同一で、す。区別が…
2021/08/30 KEKエッセイ 物構研 【KEKエッセイ #48】ああ、海外出張‥ 新型コロナウイルスの感染拡大で私たちの生活がさまざま変化しましたが、なかでも大きく変わったことの一つが、海外との行き来が不自由になったことだ…
2021/08/06 KEKエッセイ 素核研 【KEKエッセイ #47】増築を重ねた温泉旅館に隠された別館~ミューオンが切り拓く新しい物理学 素粒子「ミューオン」の「磁気モーメント」を調べる「ミューオンg-2実験」の測定結果が4月8日、米国フェルミ国立加速器研究所から報告されました…
2021/07/14 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #46】記憶の奥底にある”緑色の画面” KEKは今年で創立50周年を迎えました。KEK最初の加速器KEK-PSで研究者生活を始めた私にも、研究者として48年の歳月が流れました。そん…
2021/06/24 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #45】ジャーナリストで評論家の立花隆さんが4月30日にお亡くなりになりました ジャーナリストで評論家の立花隆さんが4月30日にお亡くなりになりました。小林誠・益川英敏両博士は2008年、彼らの「CP対称性の破れの起源の…
2021/05/28 KEKエッセイ 物構研 【KEKエッセイ #44】加速器と生体分子研究をつなぐ「お皿」のひみつ 2021年春の科学技術週間 オンライン施設公開では構造生物学研究センターの結晶化ロボットの動画を紹介しました。ただ、話が細かすぎて、ロボット…
2021/05/11 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #43】超伝導電磁石材料の開発競争を制するのは誰? 加速器には数多くの最先端技術が使われています。その中の一つに、私が研究開発している超伝導電磁石があります。超電導電磁石は通常の電磁石よりはる…
2021/04/12 KEKエッセイ 共通基盤 【KEKエッセイ #42】コンピューターと「あうんの呼吸」で設計する日 機械屋の私は時々、馴染みの機械加工業者と「あうんの呼吸」でもって仕事を進めます。いま人工知能(AI)がブームですが、このあうんの呼吸も近い将…
2021/03/26 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #41】現代宇宙論と素粒子論で哲学者カントに挑戦 イマヌエル・カントは18世紀後半に活躍したドイツ(プロイセン)の哲学者です。それまでの哲学が自然の摂理の究極的な解明を求める傾向だったのに対…
2021/03/12 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #40】小林・益川理論とピラミッドをつなぐもの 私は新聞社で長く科学記者として働いた後、名古屋大学で特任教授を3年半務め、昨年9月にKEKの監事に就任しました。KEKと名大とは深いつながり…
2021/02/26 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #39】地球環境に優しい「国際リニアコライダー計画」 2015年12月に世界中の国が合意した「パリ協定」では、温室効果ガス排出量の実質ゼロを今世紀後半に実現することが目標です。そのころにはきっと…
2021/02/01 KEKエッセイ 物構研 【KEKエッセイ #38】雑学とサイエンスのはざまで 世界で月間3億人が利用するというQ&Aサイト「Quora(クォーラ)」は、「世界中の知識を共有し、広め深めること」をミッションとして掲げてい…
2021/01/13 KEKエッセイ 物構研 【KEKエッセイ #37】協奏的な量子ビーム利用で物性発現機構を探る いま、空前の量子ブームです。そのきっかけの一つが、2019年10月にグーグルが「量子超越を実現した」という論文を公開し、量子コンピューターへ…
2020/12/25 KEKエッセイ 素核研 【KEKエッセイ #36】私たちは素粒子の海の中で暮らしている ニュートリノ天文学の開拓で2002年のノーベル物理学賞を受賞した、小柴昌俊先生が11月12日に亡くなりました。このニュートリノという素粒子は…
2020/12/17 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #35】“役に立つ研究”と“役に立たない研究” 素粒子「ニュートリノ」を捕らえてノーベル賞を受賞した故・小柴昌俊さんを取材していた新聞記者が、何気なく「ニュートリノ研究は何の役に立つのです…
2020/12/01 KEKエッセイ 物構研 【KEKエッセイ #34】草競馬場→ゴルフ場→高エ研 KEKのつくばキャンパスはもともと使われていないゴルフ場だった。そのころの住所は茨城県筑波郡大穂町。筑波研究学園都市の建設が決まり、その土地…
2020/11/02 KEKエッセイ 共通基盤 【KEKエッセイ #33】Everyday、ニオブ 国際リニアコライダー(ILC)の建設候補地の岩手県から、地域の農家グループの研修旅行として、KEKに見学に来られたご婦人が感激して、空洞製造…
2020/10/14 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #32】元素はいつどこで生まれたの? 私たち物理学者が素粒子物理学や宇宙論・宇宙物理学の立場から「物質の起源」を探る時は、それまでの宇宙の歴史上、全く存在していなかった大昔に、い…
2020/09/23 KEKエッセイ 【KEKエッセイ #31】「珈琲」「元素」を生んだ幕末のサラブレッド 最近、「喫茶店」という言葉をめったに聞かなくなりました。「スタバ、行こう!」だの、「ドトールで待ってる」だのと、若い人はチェーン店を名指しし…
2020/08/11 KEKエッセイ 素核研 【KEKエッセイ #30】シヴァ神は素粒子物理学を踊る 素粒子物理学の世界的な拠点「欧州原子核研究機関(CERN)」の本館から少し離れた39号館と40号館の間の広場に「踊るシヴァ神」が展示されてい…
2020/07/15 KEKエッセイ 物構研 【KEKエッセイ #29】チコちゃんは知っていた!ゴムはなぜ元に戻るのか タイヤやスポーツ用品、免震材料など日常のさまざまな場面で使われるゴム。引っ張ると伸びて、緩めると元に戻るのはなぜか、を理解するには物理学の知…