BL21:高強度全散乱装置NOVA

High Intensity Total Diffractometer

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概要

水素をコンパクトかつ安全に貯蔵できる水素貯蔵材料は、次世代エネルギーとして期待されている燃料電池などに必要な水素燃料のタンクとして、実用化が期待されています。そのためには、金属水素貯蔵材料中に含まれている水素原子の位置を詳しく観察し、水素を効率よく吸蔵・放出させるメカニズムを明らかにすることが実用材料開発のための鍵となります。
BL21 NOVAは、試料により進行方向が変えられる様子(散乱)を、試料を取り囲むように立体的に配置した数多くの中性子検出器で測定する装置です。中性子は、試料の中の原子の配置に応じて散乱されるため、どの方向に散乱されやすいかを調べることで、原子の配置を知る事ができます。この装置ではPDF法という特殊な手法を組み合わせることによって、結晶のように原子が規則正しく配置している様子はもちろん、水のように乱れた配置も観測することもできます。中性子は水素を効率よく観察できるため、水素貯蔵材料中の水素を重点的に観測することができ、そこで得られる知見は、水素貯蔵メカニズムの解明、そして材料の高性能化へとつながると期待されています。 本研究はNEDO委託研究「水素貯蔵材料先端基盤研究事業(平成19年度∼23年度)として行われています。

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補足説明

・PDF法
ある原子に着目した際、周りの原子の数や距離を表す「二体分布相関(the atomic pair distribution function)」から原子配置を明らかにする方法。原子が、規則正しく配置している場合でも、乱れた配置の場合でも適用可能である。陽子加速器中性子源や放射光施設が必要であるため、測定可能な実験装置は限定される。