ミューオン精密測定研究

極冷ミューオンビームでミューオンの双極子モーメント測定の精度を極めることにより、新しい物理法則の発見を目指します。

3dNucleadChart544.jpg

目的・ビジョン

ミューオニウム(μ+と電子の束縛状態;水素原子のような"原子状態")を室温で創り出し、それを高強度レーザーで共鳴乖離、加速することで得られる極冷ミューオンビームを用いて、ミューオンの異常磁気能率、及び電気双極子能率を精密に測定します。異常磁気能率は標準模型からのズレが観測されている物理量で、そのズレを検証する新しい実験は重要です。一方、電気双極子能率は、これまで見つかっていませんが超対称性等に代表される新しい物理の存在により、我々の測定精度の範囲内に現れる可能性もあります。極冷ビームに超精密電磁石の技術をあわせて、測定精度を極めることで、新しい物理法則の発見を目指します。

概要

ミューオンの異常磁気能率(g-2)および電気双極子能率(EDM)の精密測定を行っています。ミューオンg-2の値は標準模型から高精度で予想できることが知られています。これまでブルックヘブン国立研究所で行われてきた実験ではg-2が標準理論よりも僅か数ppmだけ大きいことが示唆されました。また、これまで有限のEDMが測定されたことはありませんが、もし有限の値を持つことがわかれば、レプトンにおいてもCP対称性が破れていることを意味します。これは物質優勢の我々の宇宙の起源を知る大きな手掛かりになります。私たちはg-2/EDMを世界最高精度で測定し、標準理論の最も厳しい検証と、その先の新たな物理現象を探索します。

大強度陽子加速器施設(J-PARC)の大強度陽子ビームを背景に、どこまでも広がらない極冷ミューオンビームを、サブppmの精度で精密制御された超精密磁場中へ入射し、ミューオンのスピン歳差運動の周期を測定します。最先端のビーム・加速器技術、磁場制御技術、測定器技術を駆使して実験の実現を目指しています。

関連するWebページ

g-2/EDM実験 http://g-2.kek.jp/portal/

関連する研究グループ

ミューオン稀過程研究 /ja/Research/IPNS/LeptonFlavorRandD/

関連する研究施設

J-PARC http://j-parc.jp
J-PARC 原子核素粒子実験施設 http://j-parc.jp/NuclPart/index.html
J-PARC 物質・生命科学実験施設 http://j-parc.jp/MatLife/ja/index.html