短寿命核を用いた核物理研究

KEK短寿命同位体生成分離装置(KISS: KEK Isotope Separation System )を用いた、中性子が126個ある短寿命核の核物性研究を柱にし、様々な短寿命核の基礎特性や、短寿命核を用いた応用研究を行っています。

目的・ビジョン

鉄よりも重い原子核は超新星爆発等の爆発的な環境下で生成されたと考えられ、特に中性子数が126を持つ短寿命核の性質は、爆発的な環境の中性子密度数や温度に制限を加えられる唯一の物理量として、世界中でそれらの生成分離が試みられています。KISS計画では、低エネルギーの重イオン反応と、レーザー共鳴イオン化法を用いてこの難題に挑みます。
並行して、陽子と中性子からなるこの量子多体系の枠組みの解明を目指し、様々な短寿命核の基礎特性を調べています。また、短寿命核をプローブとして用いた物性実験も行っています。

概要

鉄よりも重い原子核は超新星爆発等の爆発的な環境下で生成されたと考えられ、特に中性子数が50, 82, 126を持つ短寿命核の寿命や質量などの基本的な性質は、爆発的な環境の中性子密度数や温度に制限を加えられる唯一の物理量として、世界中でそれらの短寿命核の生成分離が試みられています。50, 82を持つ短寿命核は既存の短寿命核施設で生成分離がほぼ確実視されていますが、126を持つ短寿命核は生成法すら確立していない状態です。
KISS計画では、白金の安定同位体の一つである198Ptにキセノンの同位体136Xeビームを照射し、陽子と中性子を多数回やりとりして、中性子を126個持つ200W, 202Osなどの短寿命核を生成します。大量に生成される他の同位体から選択的にそれらを引き出すために、レーザーを用いた共鳴イオン化法を用います。本計画は2010年度より始められ、理化学研究所の加速器施設内に実験装置を建設し始めました。
また、リチウム電池材料の非破壊検査法の確立を目指して、原子力機構のタンデム加速器施設等において、リチウム短寿命核を用いた実験研究も行っています。

関連する研究グループ

KEK短寿命核R&Dグループ
理研仁科センター低速RIビーム生成装置開発チーム

関連する研究施設

理化学研究所仁科センター
原子力機構タンデム加速器施設