宇宙起源反粒子の研究

宇宙から地球に飛来する微量の低エネルギー反陽子を精密に観測し、 また極微量飛来している可能性のある宇宙線反物質を探索することによって、 「宇宙における素粒子現象」を探求しています。

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目的・ビジョン

地球には宇宙から様々な宇宙線が降り注いでいます。その大部分は水素やヘリウムなどの原子核(粒子)ですが、極めて稀に反粒子(粒子と同じ質量をもつが、電荷が逆)が混じることがあります。反粒子は我々の周りに自然には存在しないので、詳しく調べることにより、反粒子がどこでできて、どうやって地球に到達したのか、宇宙初期にあった反粒子の大部分はどこへ消えてしまったのか?という謎に迫ります。
BESS実験では、超伝導マグネットを用いた観測装置(BESS)を気球で高空(成層圏)にあげて宇宙線を観測し、その中から反粒子を探索することにより、ホーキングが予言した『原始ブラックホール』の蒸発現象、そして宇宙における物質・反物質の非対称性の直接的な検証など、『初期宇宙における素粒子現象』を探求します。


概要

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超伝導スペクトロメータを用いた宇宙粒子線観測気球実験 (BESS: Balloon-borne Experiment with a Superconducting Spectrometer)は 高エネルギー加速器実験で開発された超伝導技術や粒子検出技術を飛翔体(大型気球)による 高空での宇宙線観測に応用した世界的にもユニークな実験で、高エネルギー加速器研究機構・東京大学・神戸大学・文部省宇宙科学研究所・ 米国航空宇宙局(NASA)・メリーランド大学・デンバー大学から構成される日米共同気球実験として運営されています。

BESS実験は1985年に提案され準備が始められました。 1993年に最初の宇宙線観測実験をカナダ北部マニトバ州リンレークで行い、 2008年までに併せて11回の気球実験を実施しています。2002年からは、南極大陸の上空を周回飛翔させる長時間観測気球(LDB: Long Duration Balloon flight)に搭載する測定器BESS-Polarの開発を行い、2004年、2007/2008年に南極において、それぞれ8.5日、24.5日という長期間の宇宙線観測に成功し、現在データの解析を行っています。

関連するWebページ

BESS実験 http://bess.kek.jp
BESS実験(NASA) http://www.universe.nasa.gov/astroparticles/programs/bess/

関連する研究グループ

NASAゴダードスペースフライトセンター宇宙線物理研究室
http://science.gsfc.nasa.gov/661/research/
JAXA/ISAS 大気球グループ
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/ball/index.shtml
超伝導低温工学研究グループ
http://cry3-aps2.kek.jp/~cryoweb/index.htm

関連する研究施設

気球搭載型超伝導スペクトロメーター (BESS測定器) /ja/Facility/IPNS/BESS/