放射化学グループ

高エネルギー加速器施設での放射化を研究します。

目的・ビジョン

高エネルギー加速器施設で放射化により生成する放射性核種の種類,生成量,化学挙動などを放射化学的手法で研究し,放射化物の安全管理に役立てます。

概要

高エネルギー加速器施設では,加速粒子が加速器構成物と衝突することで原子核反応が起こり,物質内に放射性核種が生成します(放射化)。高エネルギー加速粒子が引き起こす原子核反応は複雑で,多種多様な放射性核種を生成します。
高エネルギー加速器施設の放射化は、加速器のエネルギーや出力,加速粒子の加速器構成物への衝突の仕方などで多様に変化します。そこで,放射化学グループでは,様々な条件での放射化の実態を理解できるよう系統的に,生成する放射性核種の種類,生成量,物質内でのこれらの変化などを放射化学の分析手法で研究しています。放射化の研究では,放射線発生装置のクリアランスレベルの調査の研究も行っています。

高エネルギー加速器施設では,電磁石などの加速器構成物以外にも,部屋の空気や装置を冷やす水の中にも放射性核種が生成されます。これらは放射性のエアロゾルや放射性のコロイドと言った小さな粒子を形成し,コントロールするためには化学的な理解が不可欠となっています。高エネルギー加速器施設の空気や水のサンプリング調査や空気や水への加速粒子の照射実験を行い,放射性核種の化学的な挙動を調べる研究を行っています。得られた結果は,J-PARC の施設で放射性核種のコントロールに役立てられています。

高エネルギー加速器施設の設計では,コンピュータによる放射線発生シミュレーションが被ばく防止に必要な放射線発生量の推定に重要な役割を果たしています。さらに、大強度加速器では、放射化物の生成についてもシミュレーション研究の新たな課題となっています。このシミュレーションの正しさを確認するためには実際の測定値と比較確認が必要です。高エネルギーの加速器で発生する放射線の量を直接測定することは難しいですが,高エネルギーの放射線によって生成した放射性核種の量を定量することで,間接的に高エネルギー放射線のスペクトルや空間分布を推定する方法を開発し,いくつかの加速器施設で測定しました。これらの結果はシミュレーション手法の研究開発に役立っています。

 

加速器施設で検出された放射性核種Cl-36.gif

加速器施設で検出された放射性核種Cl-36

加速器冷却水中のコロイド写真.gif

加速器冷却水中のコロイド写真

加速器室出入り通路で測定した熱中性子の減弱の様子.gif

加速器室出入り通路で測定した熱中性子の減弱の様子

関連する研究グループ

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関連する研究施設

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