放射線物理グループ

加速器科学に応用される放射線物理データと検出器の技術を開発・研究しています。

目的・ビジョン

当グループは、加速器の開発と安定運用のための基盤技術である放射線の相互作用とその測定法について研究を行っています。

概要

加速器の運転にともない発生する放射線の相互作用とその測定法について研究を行っています。加速器施設の安全管理には、放射線防護の観点に基づく、様々な種類とエネルギーを持つ放射線の相互作用の理解と、これを応用した検出器の開発が重要です。

これまで、放射線のエネルギー損失と物質へのエネルギー付与を表す基礎データである電離効率・蛍効率の測定や、高エネルギー光子、中性子、重イオンが物質に入射した際に放出される粒子の種類やエネルギーの測定を行っています。これらのデータは検出器開発や加速器施設の遮蔽設計、照射影響の評価のための基礎データとして利用されています。

一方、これらの基礎データの測定のためには、目的に応じた放射線検出器の開発が重要です。当グループでは電離箱や半導体検出器、シンチレーション検出器を組み合わせた能動型検出器を開発しています。この放射線検出技術は加速器の安全管理にも生かされています。受動型検出器としては固体飛跡検出器と熱蛍光線量計を組み合わせた個人線量計(PADLES)の開発を行っています。PADLES は、光子、電子、中性子、そして陽子から鉄核までの放射線に感度があり、高エネルギー加速器で発生する放射線を測定することができます。現在は、国際宇宙ステーション内のエリアモニタリングや日本人宇宙飛行士の個人被ばく測定に実用化されています。

放射線管理業務に関連する研究として、高エネルギーで極めて短い時間幅に放出される放射線の線量測定方法の研究、放射線モニターなどの検出器の校正方法の研究を行っています。これに加え、他の研究グループと協力し、環境放射線や放射線の輸送に係わる研究開発を進めています。

補足説明

・電離効率・蛍光効率:放射線が物質に入射した際に生成する電離と蛍光に分配されるエネルギー
・電離箱:放射線がガス等に入射した際の電離相互作用を利用した放射線検出器
・半導体検出器:半導体素子に放射線に入射した際の電離相互作用を利用した放射線検出器
・シンチレーション検出器:放射線に入射すると発光する物質の光を利用した放射線検出器
・固体飛跡検出器:放射線がプラスチック等の絶縁固体に入射した際の微少な損傷が放射線の種類やエネルギーに依存することを利用した放射線検出器
・熱蛍光線量計:放射線を照射するとそのエネルギーの一部が蛍光体の中に蓄積し、熱すると蓄積したエネルギーに比例した光を発する
・個人線量計:被ばく線量をモニターするために作業者個人が着用する放射線モニター
・放射線モニター:放射線量を監視する検出器
・検出器の校正:放射線検出器の出力を既知の放射線量を用いて値付けすること

関連するWeb ページ

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