環境計測グループ

分析化学的な手法で加速器科学の発展に貢献

目的・ビジョン

当部門は、加速器の開発と安定運用のための基盤技術について、分析化学的な側面から研究を行っています。また、機構全体の化学安全、環境管理業務に関連した研究開発も行っています。

概要

加速器の運転中に発生する放射線により、空気中には放射性、非放射性の有害ガスやエアロゾル、水中には放射性、非放射性のイオンやコロイドなどが生成されることが分っています。加速器施設を安全に運用するためには、これらの化学的挙動を理解し、適切な対策を取ることが重要です。

これまで、主にガスやエアロゾルの分析法の開発と放射線によるこれらの生成機構の解明を行ってきました。現在は、主に加速器施設の各種冷却水中における放射性核種の存在状態、化学挙動、コロイド化学種の生成機構などについて、分析化学的な手法により検討しています。また、放射線照射が水中での金属材料の腐食やコロイド生成に与える影響、コロイドへの放射性核種の取り込み機構についても研究を行っています。

また、超伝導高周波加速空洞の表面処理について、分析化学の観点から研究開発に協力しています。超伝導高周波加速空洞は、超伝導体であるニオブ材でつくられており、空洞性能を引き出すため、空洞の内面を研磨・洗浄し、不純物や表面の凹凸を取り除く必要があります。その研磨には、電解液に硫酸とフッ化水素酸の混酸を用いた電解研磨法が用いられています。最適な研磨条件の確立のため、化学分析や分光学的な手法を用いて電解液の組成や変化を調査しています。また、電解研磨の反応機構の解析などの研究を行っています。


化学安全、環境管理業務に関連する研究として、大気や水中など環境中の微量化学成分の分析法の研究、研究活動で発生する各種廃液類の処理法の検討、機構内地下水の動態調査を行っています。それに加え、他の研究グループから依頼される種々の試料の化学分析、それに関連した技術開発を行っています。

補足説明

・放射性核種:アルファ線、ベータ線、ガンマ線などの放射線を出す核種
・エアロゾル:気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子
・コロイド:大きさが1μm 未満の固体粒子
・電解研磨:金属をプラス側にして電解液を介して直流電流を流すことにより表面を酸化し、これを溶解させることで金属表面を研磨する方法。

関連するWeb ページ

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環境安全管理室
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千葉大学 分析化学研究室
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