SOIピクセル検出器

張合わせ型シリコンウエハー(SOI:Silicon-On-Insulator)を用いて、X線や荷電粒子等の放射線イメージングセンサーを開発しています。SOI技術により放射線センサーと読み出しエレクトロニクスを一体化する事により、小型・高精度の検出器が出来ます。また、各ピクセル毎に信号処理回路を搭載出来るので、従来不可能であったような高度な測定が行えます。

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目的・ビジョン

従来の放射線検出器はセンサーとエレクトロニクスが別々になっており、大型で使いにくいものでした。我々はこれをSOI半導体プロセス技術を用いる事で、小型・高分解能で安価なものにしようとしています。

特にX線検出器として用いた場合、10ミクロン以下の高分解能が得られ、体内への埋込みも可能となります。これにより、新しい医療技術への応用が可能になるものと思います。

概要

2005年4月に発足したKEKの測定器開発室において、SOIピクセル検出器の開発プロジェクトが提案・採択され、その後半導体メーカーとの共同開発研究が始まりました。

当初は、センサーとエレクトロニクスを200nmという至近距離に置く事による困難があり、高い検出効率の検出器を作る事が困難でしたが、その後埋込みp領域(Buried p-Well)技術の開発や、高抵抗率SOIウエハーのプロセス技術等の開発により、現在では500ミクロン以上の厚さのセンサーを全空乏化させる事が出来るようになっています。

また、2010年には17ミクロン角のピクセルを約43万個敷き詰めた検出器を試作し、小魚等の非常に鮮明なX線像を得る事が出来ています。さらに、2016年には各ピクセルにアンプやコンパレータ、カウンターと言った電子回路を搭載し、X線光子をひとつひとつ計数出来るようにした世界最小の六角形型検出器も開発しています。

現在、SOIピクセル検出器は多くの研究者や企業から注目されており、科学計測の他、医療等への応用を目指して研究開発を加速させています。

関連するWebページ

SOIピクセル検出器開発 http://rd.kek.jp/project/soi/
測定器開発室 http://rd.kek.jp/
新学術領域研究「3次元半導体検出器で切り拓く新たな量子イメージングの展開」 http://soipix.jp/