FSCI 「高速シンチレータの開発」

サブナノ~ナノ秒の発光寿命で30keV以上の高エネルギーX線領域の光子に対しても高い検出効率を有する高速シンチレータを開発する。

目的・ビジョン

30keVを超える高エネルギーX線領域の光子に対して重元素を含むシンチレータなら1mm以下の薄いものでもシリコン半導体検出器による直接検出より大きな検出効率が得られると期待され、多チャンネル・小型化など検出器の高機能化につながる。もし発光寿命がナノ秒以下の高速発光シンチレータであれば、ナノ秒幅のパルス出力により107 s-1を超えるような高計数率測定も可能となる。近年、加速器からのビーム強度が上がるにつれ高速パルス検出器の要求は高まっており放射光X線利用分野に限らず、発光寿命が短く高エネルギー光子に対する検出効率の高いシンチレータへの期待は大きい。多チャンネル・高精細の要求を同時に満たすような小型で高速応答が可能な受光素子との組み合わせによって2次元検出器に搭載して実用化できる性能を目指し高速シンチレータ開発を進める。

概要

1)以下の「ナノ秒高速応答が可能で光子検出効率の大きなシンチレータ」3種について開発を進める。

A 重原子含有プラスチック・シンチレータ
  Hf, Zn, Biなどの無機酸化物ナノ粒子を含有したプラスチック・シンチレータを
  ゾルゲル法などによって合成する。

B 内殻遷移の発光を用いるハロゲン化物シンチレータ
  Cs2ZnCl4など、ナノ秒寿命が期待できる内殻励起発光によるシンチレータ単
  結晶を製作する。

C 直接遷移型半導体シンチレータ
  量子井戸構造によって、常温でもサブナノ秒励起子発光準位が安定化されると期待される
  有機/無機ペロブスカイト型化合物単結晶を製作する。

2)放射光利用実験のためにビームライン設置に適した小型軽量かつ試料に近接した配置が可能な検出器設計とする必要がある。高速応答が可能で多チャンネル配置に適した小型・ミリサイズの高速受光素子と組み合わせた検出器を製作し、新しいシンチレータのテストを行う。さらに、ピクセル配置に対応した受光素子の改良・アレイ化と集積度の高いパルス回路系の開発を進める。

関連するWebページ

測定器開発室"FSCI"プロジェクト http://rd.kek.jp/project/fsci/index_j.html
IMSS計測システム開発室 http://pfwww.kek.jp/KeisokuSystem/
オープンソースコンソーシアム"Open-It" http://openit.kek.jp/

関連する研究グループ

KEK-IMSS 放射光科学研究施設 
先端検出器開発ワーキンググループ http://www2.kek.jp/imss/pf/group/detector/
東北大学大学院工学研究科化学バイオ系応用化学専攻 浅井研究室 http://www.che.tohoku.ac.jp/grad/appc/asai/

関連する研究施設

KEK-IMSS 放射光科学研究施設 BL-14A http://pfwww.kek.jp/users_info/station_spec/bl14/bl14a.html