FPIX ピクセルアレイX線検出器用超高速パルス信号処理システム

シリコン・アバランシェフォトダイオード(比例モード)によるピクセル・アレイX線検出器をX線構造解析、核共鳴散乱実験などに応用するため、多チャンネル超高速パルス信号処理システムを開発する。

本プロジェクトは、2009年5月に開始し、64ピクセルSi-APDリニアアレイと0.5nsMCSボードによる高速X線検出器システム開発をもって2013年度に終了しました。

目的・ビジョン

本プロジェクトは、放射光X線を利用する物性研究分野での応用をはかりながら、サブナノ秒高速応答が可能なピクセルアレイセンサー(Si-APD)を用いて、超高速パルスおよび超高速アナログ波形処理が可能なリニアアレイ積層型検出器システムの実現を目的とする。ナノ秒パルスを処理する超高速電子回路の開発と高集積度化が実現できれば、光に反応する分子などの構造や電子状態の時間変化を連続的に動画で記録できる可能性がある。

概要

1)「ナノ秒応答性」を有するX線受光素子シリコンアバランシェフォトダイオ-ド(Si-APD)を用いて超高速応答特性を最大限に発揮させるX線検出器を製作する。

高速応答が可能で、かつ内部増幅作用を有するX線受光素子としてSi-APDを用いる。十分な大きさの電荷信号を引き出して高速パルスとして取り出すときに実用的な電圧レベルが得られるようにする。パルス波高の弁別、およびパルス重なりの大きさ検出による「エネルギー分解能」が検出器として得られるようにする。X線に対する検出効率を確保する必要があるが、当面は5-10keV程度までのエネルギー領域での使用を前提とする。高エネルギーX線領域での検出効率の向上のため、進展によってはシンチレータの採用などX線受光素子部の開発も検討する。

Fig_APD.jpg試作されたSi-APDアレイの写真。このアレイ素子は64個のピクセルからなり、1個のピクセルは100μmx200μm、厚さ10μmである。

2)ナノ秒幅高速パルスを処理できる回路系を開発する。

ナノ秒幅の高速パルスをデジタル化処理できる高密度集積回路系の開発によって超高速応答検出器を実現する。

3)1次元から開始し2次元検出器への発展を可能とする。

1次元のSi-APDリニアアレイを一枚の薄い基板(低温焼結セラミック(LTCC)積層基板を使用する)に実装し、それを端から1mm間隔以下でずらして積層する、または基板の端面にピクセルアレイを装着し、そのリニアアレイ基板の端面をそろえて積層することで2次元検出器として使用することを可能にする。

FPIXsensor1.jpgSi-APDアレイと超高速パルス電子回路
©Rey.Hori

FPIXstack3.jpgSi-APDリニアアレイの積層による二次元X線検出器
©Rey.Hori

関連するWebページ

測定器開発室"FPIX"プロジェクト http://rd.kek.jp/project/fpix/index_j.html
IMSS計測システム開発室 http://pfwww.kek.jp/KeisokuSystem/index.html
オープンソースコンソーシアム http://www-osc.kek.jp/Plone/osc/

関連する研究グループ

KEK-IMSS放射光科学研究施設 BL-14A: http://pfwww.kek.jp/users_info/station_spec/bl14/bl14a.html
KEK-IMSS放射光科学研究施設 AR-NW14A: http://pfwww.kek.jp/adachis/NW14/NW14.htm
日本原子力研究開発機構 量子ビーム応用研究部門 SPring-8 BL11XU: http://www.spring8.or.jp/wkg/BL11XU/instrument/lang/INS-0000001388/instrument_summary_view

関連する研究施設

放射光科学研究施設 http://www2.kek.jp/imss/pf/
大型放射光施設 SPring-8 http://www.spring8.or.jp/ja/