2相CO2冷却システム

軽量コンパクト、高冷却効率の次世代測定器冷却システムの開発

目的・ビジョン

将来の大型測定器システムにおいて世界標準になる可能性の高い新しい技術である2相CO2冷却技術を用いて、-40℃から常温の広い範囲で使える温度一様性の高い軽量コンパクトな次世代測定器冷却システムの開発および実用化と技術蓄積を目指しています。研究の成果は、高エネルギー実験のみならず、軽量コンパクトで冷却系内での温度一様性が要求される冷却用途への広範囲の応用が期待できます。

概要

高エネルギー素粒子実験で用いられる測定器システムは、近年ますます高密度・多チャンネル化が進んでいます。それにともなって大量データ高速処理のニーズが高まり、測定器側でデジタル化までを行うのが当たり前になってきています。これは測定器側での熱負荷の増大を意味します。そこで、測定の邪魔になる物質量を増やさずに効率よく熱を取り出せる冷却システムが求められています。

そんな中で注目されているのが2相CO2冷却システムです。2相冷却とは、液体が気体(固体が液体)に変わる際の気化熱(融解熱)を利用した、気液(固液)混合流体による冷却のことで、大きな潜熱を利用するため、少ない流量で効率よく冷却ができ、しかも、 流入熱が相変化にのみ使われるため冷媒温度が圧力だけで決まり、ほぼ一定という大きなメリットがあります。特に、冷媒としてCO2を用いた気液2相冷却は、潜熱が大きいため少ない流量で大きな冷却効率が得られ、高い圧力で使えるため蒸気体積が小さく、配管にそった圧力低下による温度変化も少ないため、細い配管でも十分な冷却能力が得られます。その結果、低物質量で高効率、かつ温度がほぼ一定という理想的な冷却システムが実現できると期待されています。

冷却システムの世界標準となる可能性が高い2相CO2冷却システムを、次世代大型実験への応用を見据えて開発し、基盤技術としてノウハウの蓄積をはかっています。

co2.jpg2相 CO2 冷却:エンタルピー・圧力空間での相図と対応する冷却配管内の状態変化 ©Rey.Hori

関連する研究グループ

2相CO2冷却システム開発グループ http://rd.kek.jp/project/co2/index.html