中国科学院高能物理研究所(IHEP)とKEKが定例所長級会合

2017年09月12日 トピックス

2017年9月12日
KEKで開かれたIHEPとの定例所長級会合
中国科学院高能物理研究所(IHEP)のワン・イーファン(王 贻芳、Yifang Wang)所長ら10人が9月7日、KEKつくばキャンパスを訪問し、15年以上にわたり定期的に行われている所長級会合が開催されました。この中で両機関は、SuperKEKB加速器などの高ルミノシティ(衝突の頻度)加速器の研究開発(MNPP-01)に多国籍間の協力で実施していく趣旨の覚書を締結しました。

IHEPは中国最大の素粒子物理学の研究所で、北京電子陽電子衝突型加速器II(BEPCII)、中国核破砕中性子源(CSNS)、北京先端フォトンソース(BAPS)、大亜湾(Daya Bay)ニュートリノ実験などの様々なプロジェクトを推進しているほか、KEKを舞台にしたBelleⅡ実験、COMET実験などにも参画しています。

覚書の締結は、最先端の研究装置を国際的に有効利用して研究を行うための新たな枠組みとして、KEKの発案で実施する「多国籍参画ラボ事業」の一環です。今回の覚書は、高ルミノシティ(衝突の頻度)加速器の研究開発(MNPP-01)に国際的な枠組みで協力することを目的としており、とくにスーパーKEKB加速器が目標の性能を発揮できるよう、すでに調印したKEK、CERN、IN2P3、IHEPに加え、米国SLAC国立加速器研究所、イタリア国立物理研究所(INFN)などが役割分担して取り組むことなどが明記されています。

会合ではIHEPから訪れたワン所長ら10人に対し、山内機構長が「中国は電子・陽電子衝突型円形加速器(CEPC)を提案し、日本は国際リニアコライダー(ILC)の誘致を目指している。お互いに競争相手がいることは計画の早期推進の追い風になることや結果のクロスチェックができるなど好ましい面が多い」とあいさつ。ワン所長も「競争と協働はともに科学を進展させる要素であり、CEPCに必要な技術や基礎物理の知見を得るのに役立つ。今後も協力してやっていきたい」と応じました。続いて、物質科学、素粒子原子核物理、加速器のテーマごとに、両機関で行われている研究開発の進ちょく状況をそれぞれ報告。あわせて両機関が目指す将来の大型プロジェクトであるCEPCやILCについても、議論が交わされました。また、IHEPの一行は翌8日、東海村のJ-PARCの施設ツアーを行いました。

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