東大核研跡地で「ノーベル賞受賞記念植樹式」

2017年5月17日

植樹後の記念撮影。前列右より荒船次郎 元宇宙線研所長、山崎敏光 元核研所長、梶田隆章 宇宙線研所長、丸山浩一 西東京市長、武田暁 東京大学・東北大学名誉教授、小幡勝己 西東京市議会議長、池澤隆史 西東京市副市長、西村純 東京大学・宇宙科学研究所名誉教授 東京都西東京市の西東京いこいの森公園で4月15日、「ノーベル賞受賞記念植樹式」が行われました。

この公園は、東京都の旧保谷市と旧田無市が2001年1月に合併して西東京市が誕生したのを記念して、東京大学原子核研究所(核研、1955年~、旧田無市緑町)の跡地に造られた市立公園です。核研と、その宇宙線部と東京大学宇宙線観測所がもとになった東京大学宇宙線研究所(宇宙線研、1976年〜)に在籍した研究者の中から、小柴昌俊博士、益川敏英博士、梶田隆章博士の3人のノーベル物理学賞を輩出しました。公園には、研究所当時からの欅の木を残し、傍に址碑(しひ)を設けるなどして、研究所跡地であることを周知しています。同市では、市民や未来を担う子供たちにとってノーベル賞がより身近な存在になるとともに自然科学への関心を高めてもらおうと、一連の受賞を記念する植樹を行いました。

式典では、核研・宇宙線研などの関係者や一般市民が出席。丸山浩一西東京市長が開会の挨拶をし、同市議会議長の小幡勝己氏、東京大学・東北大学名誉教授(1966~68年、第三代核研所長)の武田暁氏、宇宙線研所長の梶田氏が来賓挨拶を行いました。その後、同市のマスコットキャラクター「いこいーな」ゆかりの落葉高木ハンカチの木の植樹と、記念撮影が行われました。植樹式に当たっては、原子核研究所OB会の役員・世話人が協力をしました。またこの日は18時より多摩六都科学館において、梶田氏による講演会「Zoooooom!inニュートリノ~幽霊素粒子が教えてくれる宇宙のすがた~」が開催され、小学5年生から大人まで191人が参加しました。

東大核研、高エネルギー物理学研究所(つくば市)、東京大学中間子科学研究センターが1997年に統合して、現在の高エネルギー加速器研究機構(KEK)になりました。また、東京大学における原子核科学の研究と教育を継承するべく、東京大学原子核科学研究センターも同時に発足しました。旧田無市の敷地では引き続き「KEK田無分室」「東京大学宇宙線研究所」「東京大学物性研究所軌道放射物性研究施設」「東京大学原子核科学研究センター」の研究活動が行われましたが、2000年春に研究施設が移転することによりその歴史の幕を閉じました。しかし、原子核研究所で培われた日本の原子核素粒子研究の伝統は新しい世代の研究者たちに引き継がれ、脈々と息づいています。