【高校生等実習受入事業】夏期に12機関延べ354名の高校生らを受入れました

2016年10月14日

7月から8月の高校生等実習受入に、12機関延べ354名の高校生らが参加しました。高校生等実習受入は、KEKが毎年全国の高校生及び中学生を対象に、学校では触れにくい研究現場の様子を肌で感じていただくことを目的に、見学、講義、実習を通して自然科学への興味が深まることを目標に実施しているプログラムです。

見学では、展示ホール等でKEK紹介ビデオを見た後、KEKB展示室、筑波実験棟のBelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、放射光科学研究施設(PF)、先端加速器試験棟(ATF)を見学しました。講義では、「素粒子物理学とその研究者の一例」「ニュートリノの謎」「質量の起源ヒッグスを追う」「科学者とテニスボール」など講師の専門分野の話や、「研究者への道」など講師の体験談を聞きました。実習では、霧箱製作、分光器製作、宇宙線観測など、KEKで行われている研究の原理を学びました。

参加した生徒たちは、猛暑にも関わらず熱心に取り組んでいました。以下、受講風景を簡単にご紹介します。

7月5日(火):岩手県立盛岡第一高等学校2年生40名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、ATF、PFを見学後、午後は霧箱製作、「素粒子物理学とその研究者の一例」の講義を受けました。生徒たちから「粒子ほどの大きさのものを機械や光を用いて解明するという過程が面白かった」「今回の研修を通して素粒子などに対して興味を持つことができました」「素粒子のような小さいものを衝突のために周長3㎞もの巨大実験装置を使っているのに驚き、圧倒されました」など、様々な感想が寄せられました。

7月19日(火):本郷中学校・高等学校中学1年生~高校2年生17名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学し、午後は霧箱製作、「ニュートリノの謎」の講義を受けました。生徒たちから「電子を加速させる様子はみられなかったけど、その加速させる仕組みや、加速器と特徴などがわかった」「はじめは何をやっている場所なのかよくわからなかったが、施設を見学したり、それについての説明をうけていく間にどのような実験を行っている場所なのかがよくわかった」「今まではKEKで行われている研究と世の中にどのような関係性があるかよくわかっていなかったが、今回の研修を通じ、KEKで行われている研究が日本の物理学に大きな影響を及ぼしていることと、意外にも私たちの生活との接点が多いということを感じた」など、様々な感想が寄せられました。

7月25日(月):埼玉県立川越高等学校1年生17名・2年生5名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネルを見学し、午後は「質量の起源ヒッグスを追う」と「素粒子理論と相対性理論のかかわりやニュートリノ関連・研究者への道」の講義を受けました。生徒たちから「見学した施設はとても複雑に感じられ色々な技術や努力の結晶のように思えた」「BelleⅡやSuperKEKBができた後の活躍がとても待ち遠しくなりました」など、様々な感想が寄せられました。一方「講義と施設見学の順序を逆にした方が、講義も集中的に聞け、見学の際もその知識を使えばより理解が深まるのではないかと思いました」との感想があり、今後の実習受入事業の参考にしていきたいと思います。

素粒子物理学等の講義を受ける生徒たち

霧箱製作での放射線観測実習する生徒たち

素粒子理論と相対性理論のかかわり等の講義を受ける生徒たち

7月27日(水):大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎1年生17名・2年生3名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学後、午後は霧箱製作、「ILCで探る宇宙デザイン原理」の講義を受けました。生徒たちから「私達が実際に目で見ているものや感じていることを超越した研究が行われていて、SF映画を観ているような気持ちになった」「熱になって逃げてしまっている電気エネルギーはとてつもなく多いけれども学問の発展にそれ以上に貢献していることが感じられました」「研究者たちがどのようなことを考え、行っているのか少し分かった気がします」など、様々な感想が寄せられました。

7月29日(金):栃木県立宇都宮女子高等学校2年生20名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学し、午後は霧箱製作、「研究者とテニスボール」の講義を受けました。生徒たちから「自分の知らない職業にたくさんふれることができたので良かった」「加速器が宇宙や生命・物質につながっているなんて思っていなかったのでおもしろかった」「勝手なイメージで、研究は研究室のようなところで、模型などを使いながら行うイメージだったが、見学してみると、実際にヘルメットをかぶり現場で作業しながら調整や観測していくことも多いのだと分かり驚いた」など、様々な感想が寄せられました。

8月1日(月):群馬県立桐生高等学校1年生5名・2年生9名・3年生4名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネルを見学し、午後は宇宙線観測の実習、「ニュートリノの謎」の講義を受けました。生徒たちから「間近に実験施設を見て、その装置の役割や仕組みについて、少し理解することができた。また、講義で素粒子論に触れて、素粒子に少し興味をもつことができた」「本で読んで興味を持っていた素粒子、特にニュートリノの講義をうけることができて、今日来て本当によかったと思う」「先端技術の結晶とも言えるような、とにかくすごい装置などを見て、感動していた。以前に一度訪れていたが、二度目でも十分に楽しかった」など、様々な感想が寄せられました。

PFを見学する生徒たち

KEKB展示室を見学する生徒たち

ニュートリノの講義を受ける生徒たち

8月3日(水):宮城県仙台第三高等学校1年生21名・2年生19名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学し、午後は宇宙線観測の実習、「素粒子物理学とその研究者の一例」の講義を受けました。生徒たちから「私は、将来、このような分野の研究者になりたいと思っており、とても参考になりました」「宇宙の広大な世界を知るためにはとても小さな世界から知っていくことの大切さを学べました」「私達の知っているレベルまで話を掘り下げて説明していただいたので、解りやすかったです。物理、化学の分野が生物の実験に関係しているのを知って、理系分野の繋がりを感じることが出来ました」など、様々な感想が寄せられました。一方「自由見学の時間がもっとあれば、いろいろ見ることができると思った」との感想があり、今後の実習受入事業の参考にしていきたいと思います。

8月3日(水):福岡県立筑紫丘高等学校2年生25名
PF 、KEKB展示室、BelleⅡ測定器を見学し、午後は宇宙線観測の実習を行いました。生徒たちから「宇宙が非対称性によって生まれたということを知り、とても神秘的だと感じました。また、説明を受けてから実際に設備をみることで、より深い理解ができました」「事前指導などで、インターネットで設備の画像をみていたが、想像以上に迫力があって驚いた」「日本に、このような大きな研究施設があることにとても驚き、しかも、調べることが宇宙のはじまりを解明するためのものであると知り、大いに興味がもてました」など、様々な感想が寄せられました。

8月4日(木):気仙沼市教育委員会(中学3年生)24名
PF、富士KEKBトンネル、KEKB展示室、BelleⅡ測定器を見学し、午後は分光器製作、「実験と観察-加速器科学と宇宙-」の講義を受けました。生徒たちから「世の中の根本的な謎を解明するため、多くの人が考え、その実験を少しでも知り、間近で感じることができ、私の知らない世界について、考えを深めることができた。とても興味深いものだった」「難しい内容も多かったが、加速器と私たちの生活がどのように関わっているかを知ることができたので、とても良かったです」「KEKで行われている多くのことが、私達の生活に生かされているなと思いました。特に新医薬にもKEKがたずさわっているということにとても興味を持つことができました」など、様々な感想が寄せられました。

富士KEKBトンネルを見学する生徒たち

宇宙線観測の講義と高校のOB研究員から助言を受ける生徒たち

PFを見学する生徒たち

8月8日(月):茨城県立竹園高等学校2年生12名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学し、午後は分光器製作、「素粒子物理学とその研究者の一例」の講義を受けました。生徒たちから「KEKを一日回ってみて、やはり素粒子の世界はとても面白いと感じた。今後の進学につけ今回の経験は素粒子物理の道を進むことの意志をより強くさせたように思う」「今まで、高エネ研に来たことはあったが、ここまで詳しく見せてもらったことはなかったので、良い経験になった」「宇宙と素粒子が深く関わっており、まだ多くの事が分かっていないので、それらについて想像したり、実験したいと思える内容だった」など、様々な感想が寄せられました。

8月9日(火):一関市教育委員会(中学生3年生)65名
4つの班に分かれ、KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、PFを交互に見学した後、午後は分光器製作、「ILCは何をするのか」の講義を受けました。生徒たちから「今回の研修で学んだことを忘れず、また、さらに理解を深めて、自分の周りの人々にKEKやILCがいかにすごいものかを伝えたくなりました。また、素粒子の研究に自分も関わりたいと思いました」「放射光についての説明がとても面白いなと思いました。放射光は宇宙のことから食べ物のことまで幅広い分野で役立っているということがわかり、今まで知らなかったのですが興味が出てきました」「実物を見ながらの説明がとても分かりやすく、面白かった。KEKがこんなにも様々な実験をして、いろんな謎を解明している施設だということが分かった」「私は、銀河鉄道の夜にでてきた言葉に深く胸をうたれました。実験するだけだと思っていた科学が、私達の生活や世界中の『ウソ』と『ホント』にまで関わってくるなんて、とドキッとしたし、楽しくなりました」「今まで、高校では『何科にしよう』『何を選択しよう』と迷っていたけれど、講義を受けて、物理学はとてもおもしろいな、学びたいなと思えた。とても参考になった。高校でも、理科の勉強をがんばりたい」「科学は、ずっと昔から解明されていたと思っていたが、実際は100年前の最近であり、今も解明され続けていることが分かった」など、様々な感想が寄せられました。

8月10日(水):富山県立富山高等学校2年生51名
KEKB展示室、BelleⅡ測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学後、午後は霧箱製作、「ミュオン素粒子科学とレーザー」の講義を受けました。生徒たちから「初めてみるものばかりで驚きの連続でした。案内の方も丁寧な方ばかりで、ありがとうございました。理解できないところも多くありましたが、充実した時間をすごせたと思います」「薬学部志望だったので最初はあまり興味がなかったし、難しそうな機械ばかりで気がひけたけど、説明をきいているうちに少し面白いと思えるようになり、機械について興味をもつことができたのでこれからの進路の参考にしたいと思いました」「『3㎞走らせてnmの精度でぶつける』という説明に、科学研究のスケールの大きさと微細さを感じました。ぎゅっとしぼる磁場ってすごいなと思いました」など、様々な感想が寄せられました。

分光や回折の講義を受ける生徒たち

分光器を製作している生徒たち

ミュオン素粒子科学とレーザーの講義を受ける生徒たち

今年度は、さらに8機関の受入を予定しています。
KEKでは毎年、「高校生等実習受入」を希望する中学校・高校を募集しています。応募についてご検討いただく際は、実習受入のページをご参照ください。