「科学と音楽の響宴2015」を開催

2015年11月19日

2015年11月19日

11月15日(日)、「科学と音楽の響宴2015」がノバホール(茨城県つくば市)で開催されました。小雨交じりの空模様にも関わらず約600名の方が来場し、最先端の科学とクラッシック音楽を楽しみました。

本イベントは、KEK、つくば市、つくば文化振興財団が共催し、高エネルギー加速器科学研究奨励会が協賛するレクチャー&コンサート企画です。2005年に世界物理年を記念して、物理学の講演と、現代物理学の父・アインシュタインが愛したヴァイオリンの演奏とを組合せて開催したことに始まり、今回で9回目を迎えました。

第1部は、KEK素粒子原子核研究所の羽澄 昌史 教授による講演「宇宙のビッグバンとそれ以前」が行われました。羽澄氏らがチリ・アタカマ高地で行っている宇宙背景放射(CMB)の偏光観測の実験について、標高約5,000mに設置された"ポーラーベア望遠鏡"や、酸素吸入を行いながらの実験準備の様子などについて、写真を交えて紹介しました。また、天体が我々から遠ざかっていることを発見した"ハッブルの法則"から"ビッグバン理論"の誕生、そして最新の"インフレーション宇宙論"へと、観測が証明してきた宇宙理論の歴史についてわかりやすく解説が行われました。観測結果を音に置き換えた「ビッグバン以後の宇宙の音」の試聴などもあり、ユニークな講演でした。

第2部は、日本を代表するチェンバロ奏者の一人である東京藝術大学の大塚 直哉 准教授によるコンサート「チェンバロで聴くバッハの音楽宇宙」が行われました。J.S.バッハの鍵盤作品の中で現代でも親しまれている"平均律クラヴィーア曲集"、"インベンションとシンフォニア"からの作品などが披露されました。演奏の合間には、楽器の装飾について、蓋の内側の文字がラテン語による格言で"音楽は喜びの友、悲しみの薬"と記されていることなどを紹介するなど、楽器の構造やバッハの時代の歴史について興味深いお話しもありました。最終曲"シャコンヌ"は、大塚氏自らが編曲を試みたもので、「最初は小さい音と感じるチェンバロの音ですが、耳が慣れるにつれ不思議と大きく聞こえることと思います」という大塚氏の言葉通り、氏の渾身の演奏は、会場を圧倒する迫力がありました。

講演、コンサートとも、終了後には「宇宙の外側は実在しない空間ですか?」、「バッハと話をする機会があったら何を話しますか?」など和やかな質疑応答が行われ、楽しいひと時となりました。

講演中の羽澄氏

大塚氏のチェンバロ演奏

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科学と音楽の響宴

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