【高校生等実習受入事業】夏期に10機関 延べ399名の高校生らを受入

2015年10月05日

2015年10月5日

今年7月から8月の高校生等実習受入に、10機関延べ435名の高校生ら(引率含む)が参加しました。

高校生等実習受入は、KEKが毎年全国の高校生及び中学生を対象に、学校では触れにくい研究現場の様子を肌で感じていただくことを目的に【見学】、【講義】、【実習】を通して自然科学への興味が深まることを目標に実施しているプログラムです。

【見学】では、展示ホール等でKEK紹介ビデオを見た後、KEKB展示室、筑波実験棟のBelle II測定器、富士KEKBトンネル、放射光科学研究施設(PF)、電子陽電子入射器コントロール棟の電子陽電子線形加速器、超伝導リニアック試験施設棟(STF)を見学しました。
【講義】では、「宇宙をつかまえるILC」「ミュオン科学」「質量の起源ヒッグスを追う」「素粒子の世界」など講師の専門分野の話や、「研究者への道」など講師の体験談を聞きました。
【実習】では、霧箱製作、分光器製作、宇宙線観測など、KEKで行われている研究の原理を学びました。

参加した生徒たちは、猛暑にも関わらず熱心に取り組んでいました。
以下、受講風景を簡単にご紹介します。

富士KEKBトンネルを見学する生徒たち7月2日(木):
岩手県立盛岡第一高等学校 2年生40名
KEKB展示室、Belle II測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学後、午後は霧箱製作、「宇宙をつかまえるILC」と「ミュオン科学」の講義を受けました。

生徒たちから「普段は知ることのできない、しかし確実に私達の生活に深く関わっている研究を行っている施設をみたり講義をきいたりして、興味が深まりました」「今回の研修で、以前は全く興味がなかった分野も興味がわいてきて、原子や粒子などの世界をもっと知ってみたくなりました」「加速器が素粒子の研究のみならずさまざまな科学の分野に使われていることがとくに印象にのこりました」など、様々な感想が寄せられました。

熱心に講義を受ける生徒たち7月27日(月):
埼玉県立川越高等学校 1年生36名・2年生2名
KEKB展示室、Belle II測定器、富士KEKBトンネルを見学し、午後は「質量の起源ヒッグスを追う」と「素粒子の世界」の講義を受けました。

生徒たちから「講義や説明は難しかったけど、施設を実際に見たことで、難しいことも少しは理解することができました」「話には、高難度の内容も含まれていて、自分が物理を学習していく上での良いきっかけとなりました」「今まで、このような世界トップクラスの研究施設があることを知らなかった。とても面白くためになったので、他の施設についても調べ、次につなげていきたい」など、様々な感想が寄せられました。

製作した霧箱で放射線を観測する生徒たち7月28日(火):
大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎 1年生22名
KEKB展示室、Belle II測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学後、午後は霧箱製作、「素粒子の世界」の講義を受けました。

生徒たちから「ここに来て、全く知らなかった世界のことを少しでも知れてためになりました。このような研究をしている人がいるから、技術が発達していくんだなと思った」「面白くて、楽しくて、とっても身になった研修でした。もっと知りたいという欲求がわいてきて、もっと勉強しなければ!と思いました。また、将来こんな道にあゆむのもいいかなと思いました」「今まで、このような研究をしている人がいることを知らなかったが、自分もやりたいことを仕事にできたら良いと思った」などの感想があり、この研修が今後の進路の刺激となったようです。

PFを見学する生徒たち7月29日(水):
栃木県立宇都宮女子高等学校 2年生20名
KEKB展示室、Belle II測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学し、午後は霧箱製作、「研究者への道」の講義を受けました。

生徒たちから「物理の美しさを知った気がしたのは、KEKでの施設見学のおかげなので来てよかったと思う」「とても楽しい研修だった。こういうところで将来働いてみたいと思った。研究者になるかどうかはわからないけれど、そういう道も、とても魅力的だと感じた」「もともと素粒子や宇宙に興味があったのですが、知らないことばかりでまだまだだなと思いました。KEKのような研究所で働くのも楽しそうだと思いました」などの感想が寄せられ、進路選択の参考になったようです。一方「全体的に面白かった。子供にも分かりやすい展示室での様々な五感を用いた体験が楽しかった。ただ、受け身で説明を聞くのもいいが、私たちに考えさせてくれる時間を少しでもとってくれる方が非常に理解できたと思った」「身近なものを例にして説明してくださったので、わかりやすかったです。ただ、重複している内容があったので、その分、もっと他のことを知ることができたらと、思いました」との感想があり、今後の実習受入事業の参考にしていきたいと思います。

熱心に講義を受ける生徒たち7月30日(木):
岩手県立水沢高等学校 2年生36名
KEKB展示室、Belle II測定器、富士KEKBトンネル、PFを見学し、午後は霧箱製作、「膜タンパク質のかたちを観る」「私が研究者へのなろうと思ったきっかけと、ILCの簡単な紹介」の講義を受けました。

生徒たちから「今回の研修では、加速器の現状や今後について知ることができたのでよかった。また、霧箱によって放射線が確認できたのは、よい経験となった」「将来について考える材料が多くあり、大変ためになり、またとても面白く感じた」「普通なら体験できないような経験をさせていただき、とても興奮しました。こんな方々になれるよう、私も頑張りたいです」など、また講義については「膜タンパク質には興味があったので、講義を受けることができて良かった」「北上に設置されるILCがうまくいけばいいと思った」などの感想から、この研修が生徒たちに刺激を与えたようでした。

Belle II測定器を見学する生徒たち8月3日(月):
大阪府立高津高等学校 1年生63名・2年生7名
2つの班に分かれ、KEKB展示室、Belle II測定器、PFを交互に見学後、霧箱を製作しました。

生徒たちから「自分の知らないところで知らない人たちが加速器で実験して私たちの生活に役立てたり、宇宙の謎を解いたりしているのを知って感動しました」「全ての起源を遡るためには、大規模な施設、長い時間のかかるとてつもない試みだということが分かった」「霧箱の組立作業はとてもおもしろい反応が起こり、大きい反応の時には花火のように広がっていて、とてもきれいだった。また家でもしてみたいと思った。施設はとても大きくて、もっと細かい所までみたいなと思った」「実習は言っていたことを自分で試して理解できたから楽しかった。見学の説明は難しすぎたから、もう一度大学生になって理解を深めてから来たいと思った。その方が楽しめるし、すごさに気がつけると思う」「自分自身も、1秒に2回ほど"宇宙線"というものを受けているとしっておどろきました。チョコのはなしも、おもしろかったです」「私たちの生活は科学の上に成り立っており、このような研究所はとても大切であると改めて思った」「話されている内容は難しかったが、日本、世界の未来につながる最先端の研究をされていると知り、非常にいい体験となった。Belleを見られたのが一番良かった」「自分たちの知らない事実が多すぎて、少しついていけない部分もあったが、とてもためになる貴重な経験になりました」など、様々な感想が寄せられました。

観測写真から宇宙線測定の講義を受ける生徒たち8月4日(火):
宮城県仙台第三高等学校 1年生24名・2年生16名
電子陽電子線形加速器、KEKB展示室、Belle II測定器、PFを見学し、午後は宇宙線観測の実習、「宇宙創成の謎に迫る国際リニアーコライダー」の講義を受けました。

生徒たちから「普通では、入れないところに入らせていただき、濃い体験をすることができました」「広大な敷地を使った日本の科学の最先端の設備に興奮した」「実験するのは原子単位のものすごく小さなものなのに、実験器具はものすごく大きくて、本当にすごい実験をしているんだなと思いました」「普段は見る機会のない大型研究施設や、講義などで有意義な時間を過ごすことができました」など、様々な感想が寄せられました。

各種光源のスペクトルの講義を受ける生徒たち8月5日(水):
富山県立富山高等学校 2年生47名
KEKB展示室、Belle II測定器、電子陽電子線形加速器、PFを見学後、午後は分光器製作、「光量子プロジェクトと研究者への道」と「研究者への道」の講義を受けました。

生徒たちから「原子よりも小さい素粒子があったり、反物質が消えたりなど、今まで考えもしなかったことがわかり、まえよりも化学について知りたくなりました」「これまで、あまり将来に関して研究者という進路は考えていませんでしたが、この機会に方向性の視野が広がったような気がします」「思っていた以上に大きく、地球が丸い点を考慮しなければならない点に驚いた」などの感想が寄せられ、この研修が物理への興味を深める一助となった様子でした。

電子陽電子線形加速器を見学する生徒たち8月6日(木):
一関市教育委員会 (中学生3年生)62名
2つの班に分かれ、KEKB展示室、Belle II測定器、PF、電子陽電子線形加速器を交互に見学した後、午後は霧箱製作、「科学的に考えるとは」と「ILCを知ろう」の講義を受けました。

生徒たちから「将来、ILCができたら、何らかの関係で関わってみたいと思った」「直接科学に関わらなくても、関わる人を支えられるような人になりたい。数学をもっと勉強しなければと思った」「放射線、ILCについて理解を深められた。将来は、医療関係の職に就きたいので、この知識を活かし、頑張ります」「ILCのシステムエンジニアになって、より使いやすくこわれにくく改良しやすい物を、つくりたいと思いました」「将来ILCに関わるかもしれない自分と素粒子について知ることができた」などの感想があり、生徒たちの今後の取り組みに刺激となったようです。

STFを見学する生徒たち8月11日(火):
気仙沼市教育委員会 (中学3年生)24名
STF、KEKB展示室、Belle II測定器、電子陽電子線形加速器を見学し、午後は霧箱製作、「ILCを知ろう」の講義を受けました。

生徒たちから「機械が多く、自分達にはとうてい理解できないものだと思ったが、分かりやすい説明やボードが壁に掲示してあって、見学者にやさしい取組がなされていると思った」「私は、将来建築関係の仕事につきたいと思っているので、加速器が関わっていることを知り、もっと詳しく知りたいと思いました」「施設見学では、素粒子や電子の研究がどんなスケールで行われているかを自分の目で見れてよかった。KEKBやILCについての知識も深められたし、また、興味ももてた」「思っていたよりも広くておどろいた。研究している内容についてもくわしく知ることができた」「大規模な装置におどろかされましたが、スタッフの方々が分かりやすく説明してくれたので、とても良かった」などの感想が聞かれ、楽しく学んだ様子でした。

今年度は、さらに7機関の受入を予定しています。

KEKでは毎年、「高校生等実習受入」を希望する中学校・高校を募集しています。応募についてご検討いただく際は、以下のページをご参照ください。

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