高校生による素粒子探索 B-Lab(ビー・ラボ)&筑波サイエンスワークショップ開催

2015年03月26日

2015年3月26日

KEKでは高校・大学生などを対象に、素粒子物理の面白さを知ってもらうための様々な実習プログラムを実施しています。

B-Lab(ビー・ラボ)は、KEKのBファクトリー実験で収集されたデータの一部を、インターネットを通じて主に高校の科学部などに公開し、このデータを使って「素粒子探索」を行ってもらうもので、2014年度は下記の通り3回開催されました。

2014年7月25日(金)と7月26日(土)の2日間にわたって、兵庫県龍野市の兵庫県立龍野高等学校において、10名の生徒と1名の先生を対象に実施しました。25日は素粒子とBelle実験についての講義や1イベント模型の実習を行いました。26日はパソコンを使った実習を行いました。

参加した生徒からは、「グラフからいろいろ考えるのが楽しかった。」「プロミングのおもしろさが分かった。」「膨大な数のデータを使っていて、素粒子を発見するのは大変だと思いました。」といった感想が寄せられました。

電子陽電子反応から発生する粒子をピンポン玉で模倣する「1イベント模型の実習」

講師によるプログラミングの指導の様子

2014年12月6日(土)には、KEKつくばキャンパスにおいて、栃木県の佐野日本大学高校の生徒26名を対象にしたB-Lab実習とBファクトリーの施設見学を実施しました。同校の参加は今回で9回目になります。

素粒子とBelle実験についての講義

Belle実験展示室の見学

2014年12月24日(水)から26日(金)の3日間、高校生対象の筑波サイエンスワークショップがつくば市内の研究機関にて開催され、プログラムの一環としてB-Lab実習が行われました。同ワークショップは、京都、滋賀の4つのスーパーサイエンスハイスクール(京都府立洛北高校、京都教育大学付属高校、京都府立桃山高校、立命館守山高校)の生徒が、つくばの研究機関で素粒子・地層・金属などのテーマで実習を行うプログラムで、今回で10回目となります。

B-Lab実習には5名の高校生が参加し、粒子の探索に取り組みました。初日の午後に素粒子班だけがBファクトリー実験施設を見学しました。最終日の午後に全てのグループが物質材料研究機構に集まり成果発表会を行いました。

Belle実験の講義の様子

講師による素粒子解説

成果発表会を終えた素粒子班の5名

B-Labには高校の科学部等の団体をはじめ、個人や少人数のグループでもご参加いただけます。参加お申込みについての詳細はB-Labのホームページの「ルールの説明と参加の仕方」をご覧ください。

用語説明

1イベント模型の実習:
1回の電子陽電子反応から発生する粒子のうち、Belle測定器で観測された粒子の測定データ(各粒子の3次元運動量、エネルギー、粒子の種類、電荷)のことを1イベントと呼びます。この1イベントのデータの各粒子に合わせてピンポン玉を用意しておき、通し番号、粒子の種類、電荷を記載します。一方1イベントの測定データを1枚の表にしておきます。 このピンポン玉と測定データ表のことを「1イベント模型」と呼びます。

例として、中性のK中間子「Ks」を探索する場合、Ksはπ+とπ-に崩壊するため、Ksを探すには、π+とπ-を組み合わせてその質量を計算し、そのヒストグラム分布をつくり、なだらかな分布の上に山ができることを調べます。

1イベントのピンポン玉からπ+とπ-を選び、イベント表から対応する粒子の運動量とエネルギーのデータを読み取り、用意した計算表にそのデータを写し取り、それからパソコンの計算ソフトを用いてπ+とπ-を組み合わせた質量を計算します。この計算を1イベントのすべてのπ+とπ-の組み合わせについて行い、ヒストグラムを作る。このような操作を、解析するイベント数の数だけ繰り返します。

パソコンを使った実習では、この一連の計算をプログラムを使って行います。1イベント模型の計算表を使った実習では、手計算でヒストグラムをつくることにより、粒子探索の原理を理解することが容易になります。

関連サイト

B-Lab

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