将来加速器委員会からの声明、今後の世界の高エネルギー物理研究の成果に期待

2014年07月25日

2014年7月25日

2014年7月6日に開催された国際将来加速器委員会(ICFA)において、高エネルギー物理研究に関する世界の将来戦略についての声明文が採択、発表されました。そのプレスリリース文と声明文の日本語仮訳をご紹介します。

将来加速器委員会プレスリリース(日本語仮訳)

全世界を一つの領域として、将来に向けた素粒子物理の世界戦略が形成されつつあります。これらの戦略には、これまで以上に高いエネルギーで粒子を衝突させる衝突型加速器計画と、物質の最小単位の研究を一層深める大型実験が盛込まれており、世界各地の研究所における科学を飛躍的に発展させる発見につながることが期待できます。

高エネルギー加速器の建設や利用における国際協力、超高エネルギー加速器施設の建設に必要な技術についての検討などを行う組織である「国際将来加速器委員会(ICFA)」は、欧州・アジア・米国で発表された、高エネルギー物理研究の将来への戦略的計画を是認する声明を公表しました。国際的に行われるニュートリノ研究と並行して、ICFAは、国際リニアコライダー計画への継続的な支持と、円形加速器構想の国際的な検討の奨励を表明します。

この声明は、通称「P5」と呼ばれる、米国の素粒子物理学に関する将来戦略が発表されて以降初となるICFA会合で公表されました。アジアおよび欧州では、すでに同様の戦略が発表されており、3地域の戦略は共通した優先的研究課題を挙げています。これらの優先課題は、世界の素粒子物理研究コミュニティによる慎重な検討の行程を経てまとめられたもので、各国政府の科学政策立案における指針となるべきものです。

ICFA議長である、ナイジェル・ロッキアー米フェルミ国立加速器研究所所長は「3地域における研究と、世界の素粒子研究を担う主要な研究機関等の方向性がこのように一致していることを確認し、非常に喜ばしく思います。素粒子物理学研究は、世界中の耳目を集めるような大発見を産み出してきました。未知の物質ニュートリノ、より強力な加速器、そして宇宙のフロンティアといった研究を行う、素粒子物理研究の次段階は、より一層グローバルな活動になることでしょう。世界の科学者たちはこのエキサイティングな未来に向けて、一致団結しています」と述べています。

声明文全文(2014年7月6日):

国際将来加速器委員会:国際リニアコライダー計画への賛意、欧州・アジア・米国の戦略計画への支持、及び円形加速器の将来構想に関する国際的な検討活動の推進に関する声明

国際将来加速器委員会(ICFA)は、欧州、アジア、米国で発表された素粒子物理学の研究戦略と、それらが世界的に足並みを揃えて示す優先順位判断に支持の意を表する。ICFAは、ここに国際リニアコライダー(ILC)計画への賛意を改めて確認する。ILCは、技術開発においては成熟した段階に到達し、最近発見されたヒッグス粒子については比類を見ない精密測定を実現する千載一遇の機会を提供するものである。ICFAはまた、大型ハドロンコライダー(LHC)のエネルギーを大きく凌ぐ陽子-陽子衝突型加速器を究極的目標とする円形加速器構想の国際的な検討活動の推進を引き続き奨励する。

関連サイト

ICFA声明文原文(2014年7月6日)
ICFAプレスリリース原文