J-PARCニュートリノビームグループ、諏訪賞を受賞

2014年3月10日

受賞したJ-PARCニュートリノグループのメンバーの一部J-PARCニュートリノビームグループ(代表:KEK素粒子原子核研究所教授 小林 隆氏)が、平成25年度の高エネルギー加速器科学研究奨励会 諏訪賞を受賞しました。この賞は、高エネルギー加速器科学の発展上、長期にわたる貢献など特に顕著な業績があったと認められる研究者・技術者・研究グループに贈られるものです。今回受賞対象となった研究課題は「世界最高強度ニュートリノビーム施設の実現による電子ニュートリノ出現現象発見への貢献」です。

ミューオンニュートリノの電子ニュートリノへの転換現象を実証するために、J-PARCの大強度陽子ビームを利用したT2K実験が計画されました。2009年の実験開始後、J-PARC加速器が着実にそのビームパワーを増強していくに従い、T2K実験においても実験データを蓄積、2011年世界に先駆けて転換現象の証拠となる電子ニュートリノの出現を観測、さらに2013年にはその有意性を7.5σとして決定づけました。これにより3世代のニュートリノの混合が最終的に確立、さらに将来のニュートリノCP非対称性の研究の可能性を大きく開きました。

J-PARCニュートリノビームグループがもたらした物理成果の高い意義とともに、今後の大強度加速器ニュートリノビーム施設の基準を確立したという点が大きく評価を受け、受賞となりました。

なお、J-PARCニュートリノグループの研究成果は、米国Discovery誌で「2013年の発見トップ100」に選ばれ、「ヒッグス粒子の存在の確認」の93位を凌ぐ66位に「ニュートリノの種類の変化」として紹介されました。また、米国物理学会誌(APS)のウェブサイトでも、Viewpoint(ビューポイント)という特集記事で取り上げられなど、海外でも広く注目されています。



J-PARCニュートリノグループ メンバー所属機関
KEK  素核研ニュートリノグループ(コア)、素核研ハドロンビームグループ、素核研低温グループ、超伝導低温工学センター、機械工学センター
国内:  大阪市立大学、京都大学、神戸大学、首都大学、東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)
国外:  BNL, U.Colorado, U.Washington、Stony Brook U. (米)、TRIUMF, U.Toronto, York U. (加)、RAL, Saclay(仏)、SNU
T2K-NA61 "コラボレーション"

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