2013年12月26日

KEK公開講座「ニュートリノ~素粒子で宇宙誕生の謎解き~」開催される

2013年12月26日

公開講座の様子12 月21日(土)つくばキャンパスの小林ホールにてKEK公開講座が開催されました。KEK公開講座はKEKの研究で蓄積された知見を一般の方に広く紹介し、興味関心を持っていただくことを目的に毎年2回実施しています。今年度の第2回目のテーマは、「ニュートリノ~素粒子で宇宙誕生の謎解き~」として、二つの講演がありまし た。

最初の講演は「ニュートリノと宇宙の謎」との題で、素粒子原子核研究所理論センターの北野龍一郎教授が行いました。北野氏は20世紀の後半から現在にいたる実験の発展でようやく明らかにされてきた、ニュートリノの性質の説明を行い、そうした新しい実験事実にもとづく理論の展望を紹介しました。特に、ニュートリノに質量があることからその存在が予測される「重い右巻きニュートリノ」が、宇宙の形成に果たす興味深い可能性を紹介しました。

二つ目は「大強度陽子加速器を用いた実験で発見された新しいニュートリノ振動」との題で、素粒子原子核研究所T2Kグループの中平 武准教授が講演を行いました。ニュートリノを観測する原理と、2重スリット実験を例にニュートリノ振動 現象を易しく解説した後、T2K実験によって今年世界に先駆けて発見された、ミュー型ニュートリノが電子型に変化する振動現象を紹介しました。T2K実験では反ニュートリノの振動現象も観測も可能なため、ニュートリノと反ニュートリノの振動の相違を観測することによる、レプトンでのCP対称性の破れの解明に期待がかかっていることを示しました。

約150名の方にご参加をいただき、また、恒例となっている講演後の直接質問にも長蛇の列ができ、ニュートリノが開く新たな物理学について楽しんでいただけた公開講座の開催でした。

ニュートリノの性質を解説する北野氏

<img alt="" src="/ja/NewsRoom/Release/2013/12/26/768-03.jpg" height="269" width="358" /><span class="caps">T2K実験によって発見された「新しいニュートリノ振動」を解説する中平氏

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ニュートリノ物理学研究
過去の公開講座資料など