2013年09月11日

「イノベーションフォーラムinつくば2013」の開催に協力

2013年9月11日

8月21日(水)~22日(木)の2日間、KEKは筑波学園都市50周年記念事業として茨城県やつくば市等が企画した「イノベーションフォーラムinつくば2013」内のプログラム「つくばサイエンスクエスト」に協力し、参加した高校生に講義や施設案内を行いました。

講演中の小磯氏第1日目は、つくば国際会議場において、第一線で働く企業人・研究者が教師となって、実在の事例を題材に、現実の企業活動や科学技術、社会を変革する力について学ぶことを目的にした授業が行われました。KEK加速器研究施設の小磯 晴代 研究主幹の授業では、KEKB加速器が世界最高性能を達成して2008年のノーベル物理学賞を後押ししたことや、SuperKEKB加速器へと改造して高性能化することにより今後も研究を発展させることができ、未解明の物理現象の解明につながることなどを解説しました。参加した高校生は真剣な眼差しで熱心に授業に聞き入り、終了後に開催された交流会においては質問の列が絶えませんでした。

第2日目には、高校生が少人数のグループに分かれて研究機関を訪問・見学することにより、「人類の知の先端をひらく科学技術の"真の魅力"を社会に伝える広報計画を提案せよ!」というミッション(課題)の答えを探す、サイエンスクエストが開催されました。各グループは、訪問した研究所の研究している科学技術を理解し、その魅力をチームでとらえ、広く、正しく、世の中に伝えるためのアイディアをまとめるというものです。

KEKを訪問したのは、5班46名、またテーマは、「生命科学」、「物質構造科学」、「核子QCDシミュレーション」、「低温工学」と「Belle(ベル)実験」の5つでした。

「生命科学」のテーマを選んだのは10名。構造生物学研究センターを訪れ、物質構造科学研究所の安達成彦特別助教と、同研究所千田美紀特任助教から、生命構造解明の鍵であるタンパク質にX線を照射して形を明らかにする研究について説明を受けました。

「物質構造科学」のテーマを選んだ9名は、放射光源棟を見学し、物質構造科学研究所の阿部 仁准教授より、加速器からのX線のエネルギーを変えながら試料による吸収を測定するX線吸収微細構造分光法(XAFS:ザフス)について学びました。

物質構造科学研究所で講義を受ける生命科学チーム

放射光源加速器を見学する物質構造科学チーム

「核子QCDシミュレーション」チームの9名は、素粒子原子核研究所の橋本省二教授より、スーパーコンピュータを使った素粒子のシミュレーション研究、格子量子色力学(QCD)について学び、今後ますます高速になっていくスーパーコンピュータの未来について考えました。

「低温工学」チームに参加した9名は、超伝導低温工学センターの都丸隆行研究機関講師から、液体ヘリウムで実現する超伝導状態を観察しました。電気抵抗がゼロになる性質と、磁場を完全に遮蔽してしまう性質について学び、そうした超伝導現象の特徴を活かした応用について考えました。

スーパーコンピュータを見学する核子QCDシミュレーションチーム

超伝導現象を観察する低温工学チーム

改造中のSuperKEKB加速器を見学するBelle実験チーム「Belle(ベル)実験」チームの9名は、素粒子原子核研究所の谷口七重助教から未知の物理法則を探索する実験について学ぶため、改造が進んでいるSupseKEKB(スーパー・ケックビー)加速器やBelle II測定器を訪れました。日常生活とは隔たりがあると思われがちな基礎研究が、社会とどのようにつながるかを考えるきっかけとなりました。

関連サイト

イノベーションフォーラムinつくば2013