J-PARCハドロン実験施設における事故について(機構長報告1)

2013年5月25日

5月23日、高エネルギー加速器研究機構(KEK)が日本原子力研究開発機構(JAEA)と共同で運営している大強度陽子加速器施設J-PARCのハドロン実験施設において、ビーム取り出し装置の誤作動により、ビームが想定を超えた短時間に集中して照射されました。その結果、標的の金が高温となり、その一部が蒸発した可能性があります。直後、生成された放射性物質がハドロン実験施設内に漏えいし、同施設内で作業中であった研究者等が内部被曝を受けました。

また、建物外壁の排風ファン稼働という措置により、この放射性物質がビームライン装置から建屋周辺に漏えいし、建屋周辺に設置している管理区域境界のエリアモニタで放射線量の若干の上昇が確認されました。原子力科学研究所周辺に設置されているモニタリングポストについては、通常の変動範囲内でした。また、核燃料サイクル工学研究所のモニタリングポスト(1箇所)及びモニタリングステーション(1箇所)においては、通常時の平均値(70~130nGy/h)に対して6nGy/hの一時的な上昇が確認されました。環境への放出量は精査中です。

これらの事象につきまして、調査、確認、判断の遅れにより、周辺地方公共団体および関係省庁等他への通報連絡が大きく遅れました。

詳細はJ-PARCから発信されたお知らせの通りです。
J-PARC ハドロン実験施設におけるトラブルについて
J-PARC ハドロン実験施設におけるトラブルについて(追加資料・25日時点暫定版)

当ハドロン実験施設は、J-PARCの中でもKEKが専ら設計、建設、管理、運転上の責任をもって運営してきた施設です。目下J-PARCにおいて、KEKはJAEAとともに、現場に居合わせた人員の被曝状況、放射性物質の漏えい状況、事故の原因等について精査中です。

本事案につきまして、関係者の皆さま、周辺住民の皆さまに大変なご迷惑とご心配をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。

高エネルギー加速器研究機構 機構長 鈴木厚人