2013年04月04日

第12回環境放射線の測定結果

つくば市で観測された空気中の放射性物質の種類と濃度の測定結果について(第12報)

2013年4月4日
高エネルギー加速器研究機構、国立環境研究所

つくば市にある高エネルギー加速器研究機構は国立環境研究所と、つくば市における空気中の放射性物質の種類と濃度の測定を継続してきました。2011年9月7日以降の結果を報告いたします。それ以前の測定結果については第11報をご覧ください。

採取条件

1.採取場所:
国立環境研究所敷地内

2.採取方法:
ハイボリュウムエアサンプラーにより空気中浮遊物質を収集。
空気中浮遊粒子の捕集は石英繊維ろ紙および活性炭繊維ろ紙の2段組で実施。
活性炭繊維ろ紙は第77回までは2枚、それ以降は1枚を使用。
採取空気はそれぞれ約2000立方メートル。

測定条件

回収したろ紙は、高エネルギー加速器研究機構設置の高分解能Ge 検出器を用いて測定した。この期間の各試料の測定時間は検出感度を向上させるため80,000秒とした。2012年の第92回 (2012年1月18日〜25日) 試料の測定から検出器を変え、鉛による遮へいを強化し、さらに検出感度を向上させた。

測定結果

表1および図1に測定結果を示す。NDは検出下限以下であることを示し、LTDは検出下限値を示す。空気中濃度は単位立方メートル当たりの濃度とした。

この期間、活性炭繊維ろ紙には放射能は検出されなかった。137Cs濃度が10-4m3を超えたのは2012年1月25日〜2月1日、2012年2月1日〜2月8日、2012年4月4日~4月11日、2013年2月13日〜2月20日の4回であった。137Csと134Csが同時に検出されているものがほとんどであること、事故当初134Cs濃度と137Cs濃度は1:1であったが、半減期が2年と短い134Csの濃度が半減期30年の137Cs濃度に比べて減少してきていることから、福島第一原子力発電所事故当時に放出された放射性Csの影響を反映していると言える。

表1 つくば市における137Csと134Csの空気中濃度
採取番号 採取開始日 採取量 137Cs 137Cs -LTD 134Cs 134Cs -LTD
(m3) (Bq/m3) (Bq/m3) (Bq/m3) (Bq/m3)
73 2011 2017 ND 3.3×10-5 ND 2.9×10-5
9月7日
74 9月14日 2011 8.2×10-5 3.5×10-5 5.9×10-5 3.9×10-5
75 9月21日 2016 6.3×10-5 3.4×10-5 2.5×10-5 2.9×10-5
76 9月28日 2016 ND 3.3×10-5 ND 2.9×10-5
77 10月5日 2010 5.9×10-5 3.4×10-5 3.6×10-5 3.2×10-5
78 10月12日 2016 ND 3.3×10-5 ND 2.9×10-5
79 10月19日 2008 ND 3.3×10-5 ND 2.9×10-5
80 10月26日 2016 4.9×10-5 3.4×10-5 ND 2.9×10-5
81 11月2日 2010 5.8×10-5 3.4×10-5 ND 2.9×10-5
82 11月9日 2016 ND 3.3×10-5 ND 2.9×10-5
83 11月16日 2016 ND 3.3×10-5 3.2×10-5 3.1×10-5
84 11月23日 1993 ND 3.3×10-5 ND 2.9×10-5
85 11月30日 2016 ND 3.3×10-5 3.1×10-5 3.0×10-5
86 12月7日 2017 4.5×10-5 3.3×10-5 ND 2.9×10-5
87 12月14日 2006 6.5×10-5 3.4×10-5 3.7×10-5 3.1×10-5
88 12月21日 2016 6.8×10-5 3.3×10-5 4.6×10-5 2.6×10-5
89 12月28日 2002 5.7×10-5 3.3×10-5 3.9×10-5 3.0×10-5
90 2012 2015 4.1×10-5 3.3×10-5 ND 2.9×10-5
1月4日
91 1月11日 2015 6.0×10-5 3.4×10-5 ND 3.0×10-5
92 1月18日 1878 4.8×10-5 1.6×10-5 2.0×10-5 1.4×10-5
93 1月25日 2017 1.4×10-4 1.9×10-5 8.3×10-5 1.6×10-5
94 2月1日 1925 1.0×10-4 2.0×10-5 6.8×10-5 1.6×10-5
95 2月8日 2012 9.0×10-5 1.7×10-5 5.7×10-5 1.6×10-5
96 2月15日 2008 8.1×10-5 1.7×10-5 4.2×10-5 1.6×10-5
97 2月22日 2002 6.4×10-5 1.8×10-5 4.1×10-5 1.6×10-5
98 229 2016 3.6×10-5 1.6×10-5 2.6×10-5 1.5×10-5
99 3月7日 2002 5.0×10-5 1.8×10-5 3.3×10-5 1.4×10-5
100 3月14日 2011 3.8×10-5 1.9×10-5 3.7×10-5 1.5×10-5
101 3月21日 2016 4.2×10-5 1.6×10-5 2.6×10-5 1.4×10-5
102 3月28日 2014 9.8×10-5 1.9×10-5 6.3×10-5 1.8×10-5
103 4月4日 2016 1.1×10-4 2.1×10-5 8.4×10-5 1.5×10-5
104 4月11日 2008 4.6×10-5 1.4×10-5 3.3×10-5 1.2×10-5
105 4月18日 2010 2.5×10-5 1.2×10-5 2.1×10-5 9.4×10-6
106 4月25日 2011 3.1×10-5 9.8×10-6 1.6×10-5 7.6×10-6
107 5月2日 2016 4.0×10-5 1.3×10-5 3.4×10-5 1.0×10-5
108 5月9日 2016 4.3×10-5 1.4×10-5 3.1×10-5 1.2×10-5
109 5月16日 2007 4.5×10-5 1.4×10-5 3.6×10-5 1.1×10-5
110 5月23日 2013 2.9×10-5 1.4×10-5 1.6×10-5 1.1×10-5
111 5月30日 2016 2.5×10-5 1.6×10-5 1.6×10-5 1.1×10-5
112 6月6日 2208 2.3×10-5 1.2×10-5 1.6× 10-5 1.0×10-5
113 6月14日 1722 2.5×10-5 1.4×10-5 2.2×10-5 1.1×10-5
114 6月20日 2008 2.5×10-5 1.4×10-5 1.6×10-5 1.1×10-5
115 6月27日 2016 5.6×10-6 1.4×10-5 1.2×10-5 1.1×10-5
116 7月4日 2013 1.3×10-5 1.4×10-5 1.2×10-5 1.1×10-5
117 7月11日 2016 1.3×10-5 1.2×10-5 1.7×10-5 1.1×10-5
118 7月18日 2014 2.7×10-5 2.1×10-5 ND 1.8×10-5
119 7月25日 2016 2.1×10-5 1.3×10-5 1.6×10-5 1.1×10-5
120 8月1日 2013 2.2×10-5 1.4×10-5 2.7×10-5 1.3×10-5
121 8月8日 2017 4.1×10-5 1.5×10-5 2.1×10-5 1.4×10-5
122 8月15日 2013 2.3×10-5 1.4×10-5 1.8×10-5 1.3×10-5
123 8月22日 2012 1.8×10-5 1.3×10-5 2.1×10-5 1.1×10-5
124 8月28日 2013 1.8×10-5 1.4×10-5 3.0×10-5 1.2×10-5
125 9月5日 2010 2.4×10-5 1.4×10-5 1.3×10-5 1.0×10-5
126 9月12日 2016 3.1×10-5 1.4×10-5 1.9×10-5 1.1×10-5
127 9月19日 2008 4.3×10-5 1.5×10-5 3.3×10-5 1.3×10-5
128 9月26日 2016 3.4×10-5 1.4×10-5 2.2×10-5 1.2×10-5
129 10月3日 2014 1.8×10-5 1.1×10-5 ND 9.1×10-6
130 10月10日 2015 2.2×10-5 1.2×10-5 1.2×10-5 1.1×10-5
131 10月17日 2017 1.9×10-5 1.2×10-5 1.3×10-5 1.2×10-5
132 10月24日 2016 2.2×10-5 1.2×10-5 6.6×10-6 1.0×10-5
133 10月31日 1724 2.0×10-5 1.8×10-5 1.3×10-5 1.1×10-5
134 11月6日 2296 2.0×10-5 1.1×10-5 1.1×10-5 1.1×10-5
135 11月14日 2016 1.9×10-5 1.2×10-5 ND 1.3×10-5
136 11月21日 2012 1.7×10-5 1.2×10-5 ND 7.6×10-6
137 11月28日 2017 ND 1.1×10-5 ND 8.7×10-6
138 12月5日 1998 2.8×10-5 1.3×10-5 2.3×10-5 1.2×10-5
139 12月12日 2017 1.8×10-5 1.2×10-5 1.3×10-5 9.7×10-6
140 12月19日 2016 3.8×10-5 1.3×10-5 2.3×10-5 1.1×10-5
141 12月26日 2016 1.8×10-5 1.2×10-5 1.3×10-5 1.3×10-5
142 2013 2013 1.4×10-5 1.1×10-5 2.7×10-5 1.2×10-5
1月2日
143 欠測          
144 1月16日 2016 2.9×10-5 1.3×10-5 2.4×10-5 1.1×10-5
145 1月23日 1996 3.7×10-5 1.5×10-5 2.0×10-5 1.1×10-5
146 1月30日 2016 4.7×10-5 1.4×10-5 1.9×10-5 1.1×10-5
147 2月6日 988 6.9×10-5 2.8×10-5 3.4×10-5 1.9×10-5
148 2月13日 2011 1.2×10-4 1.7×10-5 5.6×10-5 1.2×10-5
149 2月20日 2010 9.9×10-5 1.6×10-5 5.0×10-5 1.2×10-5

※ [訂正] 記事初出時、採取番号93、採取開始日2012年1月25日の137Csは「1.4×10-5」と表記しておりましたが、これはデータの転記ミスで、正しくは「1.4×10-4」となります。訂正してお詫びいたします。(4/8 17:00)

これまでの測定結果を図1に示す。

図1 つくば市における137Csと134Csの空気中濃度の推移(図中のNDはおおよその検出下限を示す。)