横尾哲也氏、日本中性子科学会技術賞を受賞

2011年12月13日 トピックス

2011年12月13日

11月22日(火)、つくば国際会議場(茨城県つくば市)で行われた第1回アジア・オセアニア中性子散乱会議(1st AOCNS, 1st Asia-Oceania Conference on Neutron Scattering)内で開催された日本中性子科学会第11会年会で「パルス中性子を用いた新しい非弾性散乱実験法の開発」に対して技術賞が授与され、KEKの横尾哲也研究機関講師が開発メンバーの一人として受賞しました。

yoko_image_01.png中性子非弾性散乱実験によって観測される物質の運動状態
物質中の軌道・スピン・格子振動などの自由度を観測し、物質の性質を理解する。

この開発は総合科学研究機構の梶本亮一氏、日本原子力研究開発機構の中村充孝氏、稲村康弘氏、中谷健氏、神原理氏、水野文夫氏との共同研究によるもので、今回の賞は開発グループに対して授与されました。パルス中性子を用いた新しい非弾性散乱実験法である「Multi-Ei法」の開発が、中性子科学の技術的発展に顕著な貢献をしたことが評価されたものです。

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)では、加速器によって加速されたパルス状の陽子ビームから中性子やミュオンを発生させ、それらを利用した物質科学・生命科学の研究を行っています。発生したパルス中性子から実験に適切なエネルギーの中性子だけを選別するのがチョッパーと呼ばれるデバイスで、そのチョッパーを利用して中性子非弾性散乱実験を行う装置がチョッパー分光器です。中性子非弾性散乱実験では、物質内の原子や分子、あるいはそれに付随した電荷やスピンといった物質の性質を決定する物理量(物理自由度)の運動状態を調べることが可能です。これまでチョッパー分光器の実験では、チョッパーによって選別される単一のエネルギーしか利用していませんでしたが、提案された新しい実験法「Multi-Ei法」では、複数の異なるエネルギーの中性子を同時に測定試料に入射し、独立に解析することによって測定効率を格段に向上させました。現在この実験法はMLFのビームラインBL01「四季」にて実証実験が行われ、今後MLFの他のビームラインでも導入される予定です。

関連サイト

日本中性子科学会
J-PARC 物質・生命科学実験施設
中性子科学研究系 KENS

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