2011年09月30日

第11回環境放射線の測定結果

つくば市で観測された空気中の放射性物質の種類と濃度の測定結果について(第11報)

2011年9月30日
高エネルギー加速器研究機構

つくば市にある高エネルギー加速器研究機構は国立環境研究所と、つくば市における空気中濃度の測定を実施しています。今回は第55回6月19日から第72回9月7日までの約3ヶ月間の測定結果を報告します。
それ以前の測定結果については第10報をご覧ください。

採取条件

1.採取場所:国立環境研究所敷地内
2.使用機器:ハイボリュウムエアサンプラー
第55回〜第60回は毎分600ℓで2日間捕集
第61回は毎分200ℓで5日間捕集
第62回〜第67回および第72回は毎分200ℓで7日間捕集
第68回および第71回は毎分200ℓで2日間捕集
第69回は毎分600ℓで3日間捕集
第70回は毎分600ℓで2日間捕集
3.使用ろ紙:石英繊維ろ紙(1枚)および活性炭ろ紙(2枚)の2段組で捕集
4.その他:8月26日〜8月31日は装置が停止したため、データの取得ができていない。

測定条件

ろ紙の測定は、高エネルギー加速器研究機構設置の高分解能Ge検出器を用いて測定した。この期間の各試料の測定時間は検出感度を向上させるため40,000〜80,000秒とした。この期間、活性炭素繊維ろ紙には放射性物質は検出されていない。

測定結果

表1から表4に測定結果を示す。試料の採取条件、採取時の気象条件は国立環境研究所の震災関連情報(http://www.nies.go.jp/shinsai/)に掲載されている。

この期間、134Csおよび137Csの空気中の濃度は検出限界値に近い10-10 Bq/cm3の濃度レベルを推移しました。また、他の核種は検出されませんでした。また、8月20日前後において空間線量の上昇が見られたため、2~3日毎の採取を行いましたが、空気中放射能濃度の上昇は観測されませんでした。降雨によってラドン及びその娘核種が地表に沈着した結果線量が上昇したとものと思われます。このように降雨があると線量が上昇する事はこれまでも観測されてきています。
高エネルギー加速器研究機構は引き続き測定を継続し、正確なデータの公表に努めていきます。



第1表 第55回から第59回の採取試料の検出核種及び濃度
第55回 第56回 第57回 第58回 第59回
採取
期間
6/19 11:15
~ 6/21 10:32
6/21 10:38
~ 6/23 10:38
6/23 12:09
~ 6/25 10:50
6/25 10:57
~ 6/27 10:57
6/27 11:05
~ 6/29 10:46
採取量 1,702 m3 1,728 m3 1,681 m3 1,728 m3 1,717m3
(600ℓ/min) (600ℓ/min) (600ℓ/min) (600ℓ/min) (600ℓ/min)
核種 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3)
I-131 検出せず 検出せず 検出せず 検出せず 検出せず
Cs-134 1.5×10-10 1.3×10-10 1.2×10-10 3.0×10-10 7.3×10-10
Cs-137 検出せず 1.0×10-10 1.5×10-10 3.5×10-10 7.1×10-10



第2表 第60回から第64回の採取試料の検出核種及び濃度
第60回 第61回 第62回 第63回 第64回
採取
期間
6/29 10:50
~ 7/1 10:44
7/1 10:51
~ 7/6 10:56
7/6 11:02
~ 7/13 11:02
7/13 11:36
~ 7/20 10:49
7/20 10:55
~ 7/27 10:55
採取量 1,724 m3 1,441 m3 2,016 m3 2,007 m3 2,016 m3
(600ℓ/min) (200ℓ/min) (200ℓ/min) (200ℓ/min) (200ℓ/min)
核種 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3)
I-131 検出せず 検出せず 検出せず 検出せず 検出せず
Cs-134 5.6×10-10 3.4×10-10 1.9×10-10 0.8×10-10 2.0×10-10
Cs-137 5.4×10-10 3.7×10-10 2.1×10-10 1.0×10-10 2.0×10-10



第3表 第65回から第69回の採取試料の検出核種及び濃度
第65回 第66回 第67回 第68回 第69回
採取
期間
7/27 11:35
~ 8/3 10:29
8/3 10: 34
~ 8/10 10:34
8/10 10:41
~ 8/17 10:34
8/17 10:40
~ 8/19 17:25
8/19 17:35
~ 8/22 9:35
採取量 2,003 m3 2,016 m3 2,015 m3 657 m3 2,304 m3
(200ℓ/min) (200ℓ/min) (200ℓ/min) (200ℓ/min) (600ℓ/min)
核種 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3)
I-131 検出せず 検出せず 検出せず 検出せず 検出せず
Cs-134 3.0×10-10 0.8×10-10 0.6×10-10 検出せず 2.6×10-10
Cs-137 3.1×10-10 0.8×10-10 検出せず 検出せず 3.0×10-10



第4表 第70回から第72回の採取試料の検出核種及び濃度
第70回 第71回 第72回
採取
期間
8/22 10:48
~ 8/24 10:23
8/24 10:35
~ 8/26 10:35
8/31 11:12
~ 9/7 10:25
採取量 1,713 m3 576 m3 2,007 m3
(600ℓ/min) (200ℓ/min) (200ℓ/min)
核種 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3) 濃度(Bq/cm3)
I-131 検出せず 検出せず 検出せず
Cs-134 2.9×10-10 検出せず 検出せず
Cs-137 3.5×10-10 検出せず 検出せず

これまでの測定結果を図1に示す。
rep11.jpg 図1 3月15日以降の核種毎の空気中濃度(Bq/cm3※1)の変化

※1 1Bq/cm3(1立方cmあたり1ベクレル):1ベクレルは1秒間に1回の割合で放射性崩壊がおこることを意味する。