高加速勾配を実現する新たな金属磁性体コアの製造に成功

2011年06月27日 トピックス

2011年6月27日

6月10日、J-PARC加速器グループは素粒子原子核研究所ハドロングループ、J-PARC低温グループ、物質構造科学研究所ミュオングループと協力し、磁場中熱処理を用いて加速器用高性能金属磁性体コアの製造開発に成功しました。

J-PARCでは、金属磁性体コアを用いた高周波加速空洞を他に先駆けて開発し、従来のフェライトコアを用いた空洞を大きく上回る加速勾配を得ています。今回開発された「高インピーダンス金属磁性体コア」は、この性能を更に飛躍させるもので、将来のビーム強度の増強実現に必要不可欠な、加速空洞の小型化・高勾配化につながるものです。

※ インピーダンス
インピーダンスは加速空洞の性能を表す指標で、高周波電圧(V)の2乗を電力損失(P)の2倍で割ったもので与えられます。陽子加速器では必要な高周波電圧を得るために、多くの磁性体コアを空洞に装填し、インピーダンスを増やしています。ここで開発できた高インピーダンスコアを用いることにより少ないコア枚数、すなわち短い距離で高い電圧を得ることができるようになるわけです。またJ-PARCのように既にある加速器ではインピーダンスが上がることによ り、同じ高周波源でも得られる電圧が増加することになります。このように、加速空洞のインピーダンスが上がることは空洞性能の向上となるのです。